2026年(令和7年分)の確定申告は、マイナンバーカードとマイナポータル連携を活用することで、スマートフォンだけで完結できる時代に突入しました。マイナポータル連携とは、保険会社や金融機関、自治体などが持つ控除証明書データを、マイナポータルを経由してe-Taxの申告書に自動入力できる仕組みのことです。この連携を活用すれば、従来のような紙の証明書を見ながらの手入力が不要となり、転記ミスのない正確な申告が可能になります。
2026年の確定申告では、iPhoneでもスマホ用電子証明書が利用可能となり、物理的なマイナンバーカードを持ち歩かなくても、Face IDやTouch IDによる生体認証だけで申告書の送信まで完了できるようになりました。さらに、連携対象データも拡大され、生命保険の一時金や損害保険の年金、国際貢献団体への寄附金なども自動取得できるようになっています。この記事では、マイナポータル連携のメリットと具体的な手順を詳しく解説し、2026年の確定申告をスムーズに完了させるための実践的なノウハウをお伝えします。

2026年確定申告でマイナポータル連携を使うメリットとは
2026年の確定申告においてマイナポータル連携を利用する最大のメリットは、データの自動入力による手間の大幅削減と入力ミスの完全防止です。従来の確定申告では、保険会社から届くハガキや封書の控除証明書を開封し、記載された数値を電卓で計算し、申告書の各欄に転記するという作業が必要でした。この過程では常に入力ミスや計算間違いのリスクがあり、書類の保管・管理という物理的な負担も伴いました。
マイナポータル連携では、保険会社や金融機関、自治体、勤務先などが生成した電子データが、マイナポータルというハブを経由して、直接e-Taxの申告書システムに流し込まれます。これにより転記ミスは原理的に発生しなくなり、申告作業は「作成する」ものから単に「確認して送信する」ものへと変化しています。
還付金を早く受け取れる
マイナンバーカード方式でe-Tax申告を行うことで、還付金の入金スピードが大幅に向上します。書面で提出した場合は税務署でのデータ入力や照合作業に時間を要するため、還付まで1ヶ月から1ヶ月半程度かかります。一方、e-Taxであればデータが即座にシステムに取り込まれるため、申告内容に問題がなければ2週間から3週間程度で指定口座に振り込まれます。3月の引越しシーズンや新年度の出費に備えたい方にとって、このスピード感は実利的なメリットとなります。
24時間いつでも申告できる
e-Taxはメンテナンス時間を除くほぼ24時間、土日祝日を問わず利用可能です。税務署の開庁時間に合わせる必要がなく、仕事終わりの夜間や休日の朝など、自分のライフスタイルに合わせて手続きを完了できます。確定申告期間中に税務署を訪れる長い列に並ぶ必要もなくなり、時間の有効活用が可能になります。
書類の保存義務が軽減される
マイナポータル連携を利用してe-Taxで申告することで、「第三者作成書類の添付省略」制度を活用できます。本来、確定申告に使用した控除証明書や領収書は、税務署への提出を省略しても自宅で5年間保存する義務があります。しかし、マイナポータル経由で取得した電子データは「電子的な原本」と見なされるため、物理的なハガキや書類を保存する必要がなくなります。毎年増え続ける書類のファイリング作業から解放され、特に医療費の領収書が大量にある家庭や、複数の自治体にふるさと納税を行っている方にとって、物理的な保管スペースが不要になるメリットは大きいものです。
2026年から拡大されたマイナポータル連携の対象項目
2026年(令和7年分)の確定申告から、マイナポータル連携の対象がさらに拡大され、これまで手入力が必要だった複雑な所得計算の一部が自動化されました。
生命保険・損害保険の一時金と年金が連携対象に
最も影響が大きい変更点は、生命保険契約等の一時金・年金および損害保険契約等の満期返戻金等・年金の連携開始です。満期保険金や個人年金を受け取った場合、これらは「一時所得」や「雑所得」として申告が必要になりますが、支払金額から払い込んだ保険料を差し引き、さらに特別控除額を計算するというプロセスは複雑で、計算ミスや申告漏れが頻発する領域でした。
これが保険会社から提供されるデータに基づき自動計算・入力されることで、納税者の負担は劇的に軽減されます。連携に対応するのは住友生命、第一生命、日本生命、明治安田生命、東京海上日動などの大手保険会社から順次開始されています。ただし、全ての保険契約が即座に連携されるわけではないため、ご自身が加入している保険会社が対応しているかどうかを事前に確認することが重要です。
ふるさと納税以外の寄附金も連携可能に
ふるさと納税以外の寄附金についても連携対象が広がりました。具体的には、国連UNHCR協会、国境なき医師団、日本ユニセフ協会といった主要な国際貢献団体への寄附が、マイナポータル経由で証明書データを取得可能になっています。これまでこれらの団体から送られてくる領収書を保管し、一枚ずつ手入力していた作業が、ワンクリックで完了するようになりました。
従来から連携可能な項目
従来からマイナポータル連携で取得可能な項目も引き続き利用できます。医療費通知情報は健康保険組合や協会けんぽを通じて取得でき、年間の医療費を自動集計できます。ふるさと納税については、さとふる、ふるさとチョイス、楽天ふるさと納税などのポータルサイトと連携することで、1年間の寄附金額が自動的に申告書に反映されます。生命保険料控除や地震保険料控除の証明書、そして勤務先から発行される源泉徴収票についても、対応企業であれば自動取得が可能です。
iPhoneでもスマホ用電子証明書が利用可能に
2026年の確定申告における最大の技術的進歩は、iPhoneでもスマホ用電子証明書が実用化されたことです。これにより、日本のスマートフォン市場で大きなシェアを持つiPhoneユーザーも、Androidユーザーと同様に物理カードなしで確定申告を完結できるようになりました。
物理カードをかざす必要がなくなる意味
これまでiPhoneユーザーは、マイナンバーカードの機能を使うたびに物理的なカードを取り出し、スマートフォンの背面に正確にかざして読み取らせるという作業が必要でした。機種ごとに異なるNFCアンテナの位置を探り当て、カバーを外し、数秒間カードを密着させ続ける必要があり、位置が数ミリずれるだけでエラーとなることがストレス源となっていました。
スマホ用電子証明書では、端末内部のセキュアエレメントと呼ばれる安全な領域に証明書が格納されているため、外部との通信エラーが発生しません。物理カードを持ち歩く必要がなくなることで、紛失リスクが低減し、カフェや移動中など場所を選ばずに申告作業が可能になるという機動性をもたらします。
生体認証でログインが簡単に
パスワード入力の代わりに生体認証が利用可能になったことも大きな進歩です。利用者証明用電子証明書の認証において、スマートフォンのロック解除に使用しているFace ID(顔認証)やTouch ID(指紋認証)を利用できるよう設定すれば、4桁の暗証番号を入力する必要すらなくなります。署名用パスワードについては、セキュリティの観点から英数字6〜16桁の入力を求められる場面が多いですが、日常的なマイナポータルへのログインのハードルは大幅に下がりました。
マイナンバーカードの二つの電子証明書を理解する
確定申告をデジタルで行う際、マイナンバーカードは単なるプラスチックカードではなく、高度な暗号技術を格納したデバイスとして機能します。カードのICチップ内には役割の異なる二つの電子証明書が格納されており、これらを正しく理解することがトラブル回避の第一歩です。
利用者証明用電子証明書とは
一つ目は利用者証明用電子証明書です。これはインターネット上のサービスにログインする際、操作しているのが「本人であること」を証明するためのものです。具体的にはマイナポータルへのログインや、e-Taxの利用者ページへのアクセス時に使用されます。通常、数字4桁の暗証番号によって保護されています。この証明書はあくまで「鍵を開けて入室する」ためのものであり、文書の内容を保証するものではありません。スマホ用電子証明書を設定すれば、この認証を生体認証で代替することが可能です。
署名用電子証明書とは
二つ目は署名用電子証明書です。こちらは、作成された確定申告書データが「本人が作成したものであり、送信途中で改ざんされていないこと」を証明するためのものです。現実世界における「実印」と「印鑑証明書」の役割を果たします。セキュリティ強度はより高く設定されており、英数字6文字以上16文字以下の複雑なパスワードによって保護されています。e-Taxで申告書を送信する最後の瞬間に求められるのがこの証明書であり、ここでパスワードを間違えてロックさせてしまうトラブルが多く発生しています。英字は大文字のみという仕様を忘れて小文字で入力してエラーになるケースが特に多いため、注意が必要です。
スマホ用電子証明書のセキュリティは安全なのか
スマートフォンにマイナンバーカード機能を入れることに対し、セキュリティ上の懸念を抱く方も少なくありません。しかし、その設計思想は極めて堅牢です。
マイナンバーそのものは保存されない
スマートフォン内に保存されるのはあくまで「電子証明書(デジタルの鍵)」のみであり、マイナンバー(個人番号)そのものや、税情報、年金記録といったプライバシー性の高い情報は保存されません。これらの情報はスマホ内ではなく、国税庁や日本年金機構などの各行政機関のサーバーで厳重に管理されています。マイナポータルはユーザーの認証を経て、それらの機関から一時的にデータを呼び出して表示する「ビューワー」の役割を果たしているに過ぎません。
分散管理による安全性
この仕組みを分散管理と呼び、一箇所に情報が集約されることで生じる大量漏洩のリスクを構造的に回避しています。また、スマホ用電子証明書はOSからも独立した耐タンパー性(解析困難性)を持つ専用領域に格納され、不正な読み出しを行うとデータが自動的に消去されるなどの防衛機構が備わっています。万が一スマートフォンを紛失した場合でも、24時間365日対応のコールセンターに連絡すれば、遠隔で電子証明書の機能を失効させることが可能です。
マイナポータル連携の事前準備手順
確定申告の期間(2026年2月16日〜3月15日)に入ってから準備を始めると、各種サービスの連携待ち時間などでスムーズに進まない可能性があります。成功の秘訣は、1月から2月上旬にかけて事前準備を完了させておくことです。
スマホ用電子証明書の登録方法
2026年の確定申告でスマホ完結を実現するためには、まず手元のスマートフォンを「マイナンバーカード化」する必要があります。
App StoreまたはGoogle Playから「マイナポータルアプリ」をダウンロードし、起動します。トップ画面やメニューにある「スマホ用電子証明書の利用申請」または「iPhoneのマイナンバーカード」の項目を選択します。この登録プロセスにおいてのみ、物理的なマイナンバーカードが必要となります。画面の指示に従い、署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁の英数字)を入力した後、スマートフォンをカードにかざして情報を読み取ります。
読み取りが成功すると、スマートフォンの生体認証(Face IDやTouch ID)を利用するかどうかの確認があります。これを有効にすることで、日々のログインがパスワードレスになります。申請後、サーバー側での証明書発行処理が行われますが、これには数分から数十分かかる場合があります。iPhoneの場合、処理完了後に「Appleウォレット」に追加する手順が表示されるため、これを行うことでOSレベルでの統合が完了します。
保険会社との連携設定(e-私書箱の活用)
マイナポータルは「ハブ」であり、データを持っているのは各企業です。したがって、各企業のウェブサイトで「私のデータをマイナポータルに送ってよい」という同意(紐付け)を行う必要があります。
多くの保険会社(日本生命、第一生命、明治安田生命など)や証券会社は、野村総合研究所が運営する「e-私書箱」というサービスを中継点として利用しています。手順としては、まず各保険会社の契約者専用ページ(マイページ)にログインし、「控除証明書の電子交付」または「マイナポータル連携」のメニューを選択します。そこから「e-私書箱」のアカウント作成(またはログイン)画面に遷移し、保険契約データをe-私書箱に登録します。その後、e-私書箱の画面から「マイナポータルと連携する」ボタンを押すことで、情報のパイプラインが開通します。この一連の作業には数日を要する場合があるため、早めの着手が推奨されます。
源泉徴収票の連携設定
勤務先から源泉徴収票データを取得するには、国税庁のe-Taxシステム側での設定が必要です。e-Taxソフト(WEB版)やスマホ版のマイページにログインし、「本人確認・情報取得希望」の項目を確認します。ここが「希望する」になっていないと、いくら会社がデータを送信しても手元には届きません。勤務先がe-Taxを通じた源泉徴収票の電子交付に対応しているかどうかも、事前に確認しておくとよいでしょう。
ふるさと納税ポータルサイトとの連携
「さとふる」「ふるさとチョイス」「楽天ふるさと納税」などのポータルサイトを利用している場合、各サイト内で「マイナポータル連携」の設定を行います。これにより、そのサイトで行った1年間の寄附が1枚の電子データ(寄附金控除に関する証明書)に集約され、マイナポータルに送信されます。複数のサイトを利用している場合は、それぞれのサイトで連携設定を行う必要があります。
マイナンバーカードの有効期限を確認する
意外な落とし穴がカードの有効期限です。マイナンバーカード本体の有効期限は発行から10年(未成年者は5年)ですが、ICチップ内の「電子証明書」の有効期限は発行から5回目の誕生日までと短く設定されています。有効期限が切れているとe-Taxへのログインも送信もできません。更新には市区町村の窓口に出向く必要があり、新しい証明書が発行されてからe-Taxで利用可能になるまで時間がかかる場合もあります。カード表面に印字された有効期限を確認し、切れている場合は直ちに更新手続きを行う必要があります。
スマートフォンで確定申告を行う具体的な手順
準備が整えば、実際の申告作業は驚くほどスムーズに進みます。ここでは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使用した標準的なフローを解説します。
作成コーナーへのアクセスとログイン
スマートフォンのブラウザ(SafariやChrome)から国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「作成開始」をタップします。「申告内容に関する質問」に回答した後、認証方法として「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選択します。
「マイナポータルアプリで認証」をタップすると、自動的にアプリが立ち上がります。ここで事前に設定した「スマホ用電子証明書」が威力を発揮します。物理カードを探すことなく、Face IDやTouch IDによる生体認証、あるいは端末のパスコード入力のみで認証が完了し、再びブラウザの作成コーナーに戻ります。このシームレスな遷移こそが、2026年の確定申告における大きな進化点です。
マイナポータルからデータを一括取得する
ログイン後、「マイナポータルから情報を取得しますか?」という画面が表示されます。「取得する」を選択し、連携したい項目(医療費、給与、年金、保険料、ふるさと納税など)にチェックを入れます。「取得実行」をタップすると、マイナポータルが連携済みの各機関(e-私書箱、ねんきんネット、ふるさと納税ポータル等)から最新の電子データを収集し、作成コーナーに引き渡します。
画面には「〇〇件のデータを取得しました」と表示され、次の画面に進むと、源泉徴収票の支払金額や、医療費の合計額、寄附金の総額などが、申告書の該当欄に既に埋まっている状態になります。手入力による転記ミスが発生しないこの瞬間が、デジタル申告の最大のメリットを実感できる場面です。
内容の確認と不足情報の追加
自動入力されたデータは完璧とは限りません。ここで人間の目によるチェックと補正が必要です。特に注意すべきは「連携対象外」のデータです。マイナポータル連携に対応していないクリニックの領収書や、ドラッグストアで購入した市販薬(セルフメディケーション税制を使う場合)、あるいは連携設定を忘れていた保険会社の控除証明書などは、手元にある紙の書類を見ながら追加入力する必要があります。また、扶養家族の状況に変更があった場合や、還付金を受け取る銀行口座の指定なども、この段階で入力・確認を行います。
電子署名を付与して送信する
全ての入力が完了すると、納付すべき税額あるいは還付される税額が表示されます。内容に間違いがなければ「送信」へ進みます。最後に、申告データに対する電子署名(デジタルな実印の押印)が求められます。ここでは「署名用電子証明書」を使用します。セキュリティの観点からこの段階では生体認証ではなく、6〜16桁の英数字パスワードの入力を求められることが一般的です。
送信ボタンを押し、画面に「受付番号」と「送信完了」のメッセージが表示されれば、確定申告は終了です。最後に送信した申告データの控え(PDF)をダウンロードし、スマートフォンのファイルアプリやクラウドストレージに保存しておくことを強く推奨します。
家族の医療費をまとめて申告する方法
医療費控除や社会保険料控除は、「生計を一にする親族」の分を納税者がまとめて申告することができます。特に医療費控除は、家族全員分を合算して「年間10万円(または総所得金額等の5%)」を超えた部分が対象となるため、世帯でまとめることが節税の鍵となります。
代理人設定が必要な理由
通常のマイナポータル連携では、ログインした「本人」名義のデータしか取得できません。配偶者や子供の医療費通知情報を自分の申告に取り込むには、事前の「代理人設定」が必須となります。この設定は申告作業を始める前にマイナポータル上で行う必要があり、委任者(配偶者や子供)本人のマイナンバーカードとパスワードも必要になるため、家族が揃っている時に行うのがスムーズです。
代理人登録の手順
申請者のマイナポータルにログインし、メニューから「代理人の登録」→「代理人を新規登録する」を選択します。画面の指示に従い、委任者となる家族のマイナンバーカードを読み取ります。この時、家族の「利用者証明用電子証明書(数字4桁)」の入力が必要になります。「どの情報を見せてよいか」を選択する画面では、「医療費通知情報」や「確定申告・年末調整への控除証明書提供」などの項目にチェックを入れます。
代理人設定が完了すると、確定申告書等作成コーナーでのデータ取得時に「家族の分も取得する」というオプションが表示されるようになります。ここで対象となる家族を選択することで、本人分と家族分の医療費データ等が合算された状態で自動入力されます。これを行わない場合、家族分だけ領収書を見ながら手入力する必要があり、効率が大幅に低下します。
確定申告でよくあるトラブルと対処法
マイナポータル連携やe-Taxを利用する際によく発生するトラブルとその対処法について解説します。
通信エラーやシステムエラーが発生した場合
e-Taxでの送信時に「H010(一般エラー)」などのコードに遭遇することがあります。原因として考えられるのは、通信環境が不安定であること、ブラウザのキャッシュ(一時データ)が邪魔をしていること、あるいはマイナポータルアプリのバージョンが古いことです。
対処法としては、まずWi-Fi環境など通信が安定している場所で再試行します。それでも解決しない場合、ブラウザ(SafariやChrome)のキャッシュをクリアし、端末を再起動してください。また、iPhoneのSafariで「プライベートブラウズモード」を使用していると、認証情報の引き継ぎがうまくいかずエラーになることがあるため、通常のモードで操作してください。
マイナンバーカードが読み取れない場合
スマホ用電子証明書を設定していない場合や、初期設定時に物理カードを読み取る際にエラーが頻発することがあります。原因としては、スマートフォンのNFCアンテナの位置とカードのICチップがずれている、金属製の机の上で操作している、読み取り完了前にカードを動かしてしまっていることが考えられます。
金属は電波を干渉するため、カードを机から離して手で持つか、木製の机の上で操作します。スマートフォンカバーが分厚い場合は外してください。iPhoneの場合は端末の上部先端をカードの中心に当てるのがコツです。画面に「読み取り完了」と出るまで、5秒以上は動かさずにじっと待つことが重要です。
データが反映されない場合
医療費データは、受診からデータ化までに約2ヶ月かかります。そのため、1月や2月上旬にデータを取得しようとしても、前年11月・12月のデータが含まれていない場合があります。1年分のデータが揃うのは例年2月9日頃からです。正確な自動入力を期すなら、申告作業は2月9日以降に行うのが鉄則です。
また、各ポータルサイトや保険会社での「紐付け」手続きを行ってから、マイナポータルにデータが反映されるまでには数日のタイムラグがあります。申告期限ギリギリになって初めて連携設定を行っても、データが間に合わない可能性があるため、余裕を持った準備が必要です。
パスワードがロックされた場合
署名用パスワード(6〜16桁)を5回連続で間違えるとロックされます。英字は大文字のみという仕様を忘れ、小文字で入力してエラーになるケースが多発しています。ロックされた場合、原則として市区町村窓口での初期化が必要ですが、利用者証明用パスワード(4桁)が無事であれば、セブンイレブン等のキオスク端末と専用アプリを使って自力で初期化・再設定ができる場合があります。「JPKI暗証番号リセットアプリ」が使えるか確認してみてください。
2026年の確定申告を成功させるためのまとめ
2026年(令和7年分)の確定申告は、iPhoneでのスマホ用電子証明書対応と連携データの拡充により、かつてないほど簡単でスマートなものになりました。これまで「難しそう」「面倒くさい」と敬遠していた方にとっても、参入障壁は大幅に下がっています。
その恩恵を最大限に享受するためのポイントは三つあります。第一に、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限を確認することです。有効期限が切れていると全ての手続きが行えません。第二に、1月中に各サービスとの連携設定を完了させておくことです。保険会社やふるさと納税ポータルとの紐付けには数日かかる場合があるため、早めの着手が重要です。第三に、2月9日以降にデータを一括取得することです。これにより前年分の医療費データも含めた正確な申告が可能になります。
紙の書類と電卓と格闘する時代は終わりました。デジタルツールを賢く使いこなし、貴重な時間と労力を節約することこそが、現代の納税者にとって最も合理的な選択といえるでしょう。スマートフォン一つで完結する確定申告をぜひ体験してください。

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