城島茂の株式会社城島ファームとは?農業事業の全容と農福連携への想い

文化

城島茂が代表を務める株式会社城島ファームは、2026年1月1日に創業した農業法人です。この会社は「農林水産業の振興・地域活性化」を事業目的として掲げ、芸能活動と農業事業を融合させた新たなビジネスモデルを展開しています。城島茂は『ザ!鉄腕!DASH!!』を通じて25年以上にわたり農業の現場に身を置いてきた経験を持ち、その知見を活かして農福連携や地域創生に本格的に取り組んでいます。

城島ファームの設立背景には、2025年の株式会社TOKIO廃業という出来事がありました。国民的アイドルグループのリーダーとして活躍してきた城島茂が、グループ解散という困難を乗り越え、自身の名前を冠した会社を立ち上げたことは、日本の農業界にとっても芸能界にとっても大きな転換点となっています。本記事では、株式会社城島ファームの企業概要から事業内容、城島茂の専門技術、そして今後の展望まで詳しく解説します。

株式会社城島ファームとは

株式会社城島ファームは、城島茂が2026年1月1日に創業した農業・地域活性化を目的とする法人です。資本金は1000万円で、本店所在地は東京都渋谷区広尾に置かれています。都心の一等地に本拠地を構えたことには、農業を地方だけの問題とせず、都市と地方をつなぐハブ機能を担うという戦略的な意図が込められています。

2026年1月5日には公式サイトが開設され、事業内容や企業理念が広く発信されることとなりました。公式サイトでは「今日を耕し、明日を育てる。」という企業コンセプトが掲げられており、この言葉には物理的な土壌を耕すだけでなく、文化や人間関係の土台を作り、作物だけでなく次世代の担い手や未来そのものを育成するという意志が込められています。

城島ファームは単なる農業生産法人ではなく、芸能活動、地域連携、教育、EC事業という4つの事業領域を持つ複合型の企業体です。生産拠点そのものを中心に据えるのではなく、企画、連携、発信、販売といったソフトパワーを核とした事業展開が特徴となっています。これは城島茂がメディアパーソナリティとしての発信力を最大限に活用しながら、社会課題の解決に直結させるという独自のビジネスモデルを構築していることを示しています。

城島ファーム設立の経緯と株式会社TOKIOの廃業

株式会社城島ファームの設立を理解するためには、その直前に起きた株式会社TOKIOの廃業という歴史的な経緯を知る必要があります。2021年4月に「福島を楽しんでもらう」プロジェクトを掲げて始動した株式会社TOKIOは、城島茂を社長、国分太一と松岡昌宏を副社長とする体制で運営されていました。しかし2025年6月、その歩みは突然の危機に直面することになりました。

メンバーである国分太一に関する深刻なコンプライアンス違反が発覚し、日本テレビは『ザ!鉄腕!DASH!!』からの国分降板を発表しました。国分自身も無期限の活動休止に入り、この事態を受けて株式会社TOKIOは廃業を決定しました。松岡昌宏が言及した「3人で立ち上げた会社であり、誰か1人でも欠ければ解散する」という設立当初からの盟約に従った決断でした。

この廃業に伴い、福島県西郷村で展開されていた「TOKIO-BA(トキオバ)」プロジェクトも2025年7月に閉園を余儀なくされました。福島県民との交流の場であり、次世代への農業継承のフィールドであった場所が閉ざされたことは、地域社会に深い失望と空白を生じさせることになりました。

しかし城島茂は「隠居」でも「単なるタレント活動への回帰」でもない道を選びました。2025年11月上旬の段階で既に「株式会社城島ファーム」の法人登記が行われていたことが確認されており、この迅速な動きは城島が事業の継続性に強い危機感を持っていたことを示しています。彼にとって農業や地域貢献は、番組の企画として消費されるコンテンツではなく、人生をかけたライフワークとなっていたのです。

城島ファームの企業理念「今日を耕し、明日を育てる」

城島ファームが掲げる「今日を耕し、明日を育てる。」という企業コンセプトは、極めて示唆に富んだ言葉です。「耕す」という行為は物理的な土壌改良を指すだけでなく、文化や人間関係の土台を作ることを意味しています。そして「育てる」は作物だけでなく、次世代の担い手や未来そのものを育成するという意志を内包しています。

公式サイトには「先人たちの汗と知恵を、私たちの世代がどう受けとめ、次の世代へ残していけるのか。城島ファームは、その問いを出発点にしています」というメッセージが掲載されています。この言葉は、城島が『鉄腕DASH』の「DASH村」で三瓶明雄氏をはじめとする熟練農家から伝統農法を学んだ原体験に根ざしています。城島は単なる経営者ではなく、日本の農耕文化というバトンを受け取った継承者としての自覚を持って会社を設立したことがうかがえます。

企業理念の中では「人間力」と「共育(きょういく)」も強調されています。「担い手や仲間が培ってきた『人間力』と、共に学び合う『共育』を大切にしながら、地域に息づく伝統や文化を尊重します」という記述は、城島ファームが単なる利益追求型の農業法人ではなく、人材育成やコミュニティ形成を重視する社会的企業としての性格を持っていることを宣言しています。

城島ファームの4つの事業内容

株式会社城島ファームは4つの主要な事業領域を持っており、それぞれが独立して存在するのではなく、相互にシナジーを生み出すよう設計されています。

芸能・講演活動による社会課題への発信

第一の事業領域は芸能・講演活動です。城島茂はタレントとしての活動を継続しながら、その発信力を社会課題の解決に直結させています。講演活動においては暮らし、子育て、地域、農業、福祉をテーマとし、行政や教育機関と連携して「子どもたちへの学びの場づくり」に取り組んでいます。これは城島の知名度を最大限に活用したアドボカシー(提言)活動と言えます。

地域・社会連携事業

第二の事業領域は地域・社会連携事業です。ここでは「農福連携」「事業承継支援」「地域課題解決」といった社会性の高いテーマが掲げられています。行政、企業、個人が共に参加できるプロジェクトを企画・実行する機能は、かつての株式会社TOKIOが持っていた企画会社としての側面をより社会課題解決型に深化させたものです。

教育事業と「共育」の実践

第三の事業領域は教育事業です。企業理念にある「共育」を具現化するため、次世代に対する食育や農業体験、環境学習のプログラムを提供することが想定されています。農業を知らない都市部の子供たちに土に触れる機会を提供することは、将来の消費者や農業の理解者を育てることと同義です。

EC事業による生産者と消費者の架け橋

第四の事業領域はEC事業(電子商取引)です。「安心して家族に届けられる商品・生産者の想いを伝える」ことを主眼に置いたオンライン販売を展開します。特筆すべきは、自社生産物だけでなく「地域の生産者・事業者と協働し、共感と信頼を軸にした販売・発信を行う」という点です。城島がメディアとして機能し、地方の優れた生産物をキュレーションして全国に届けるプラットフォームビジネスの側面を持っています。

城島茂のライフワーク「農福連携(ノウフク)」

城島ファームの事業の核として、城島茂が最も情熱を注いでいるのが「農福連携(ノウフク)」です。農福連携とは、障がい者等が農業分野で活躍することを通じて自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取り組みであり、同時に農業界の人手不足解消にも寄与する仕組みです。

この取り組みには農業側と福祉側の双方に大きなメリットがあります。農業分野においては次世代の担い手づくりや耕作放棄地の活用、産業の維持発展につながります。一方、障がいがある人にとっては自らの特性を活かした社会参画と役割づくり、居場所づくりを後押しする効果があります。農福連携は持続可能な共生社会を生み出すための重要な取り組みとして、近年ますます注目を集めています。

ノウフクアンバサダーとしての活動

城島茂は2021年10月に農林水産省から「ノウフクアンバサダー」に任命されました。この就任は名ばかりのものではなく、彼の実践的な活動に裏打ちされています。就任前から全国の農福連携事業所を視察し、現場の課題や成功事例を肌で感じてきた実績があります。

2022年に開催された「ノウフクマルシェ」のオープニングイベントでは、城島自身が「ノウフクは僕のライフワーク」と公言しています。マルシェに出店した全国13の事業所すべてを巡回し、生産者一人ひとりと対話し、時には手話を交えてコミュニケーションをとる姿が目撃されています。関係者からは「現場の状況に精通しており、まさに農福連携の知恵袋」と評されるほど、その知識は深く、表面的な支援を超えた当事者意識を持っていることがわかります。

ノウフク・ラボでの課題解決活動

城島は農福連携の現場課題を解決するためのコンソーシアム「ノウフク・ラボ」にもメンバーとして参加しています。障がい者が農業現場で働く上での具体的な障壁として、使いやすいトイレの欠如、熱中症のリスク、販路の確保といった実務的な課題に対し、企業や専門家と共に解決策を模索しています。

株式会社城島ファームの事業内容に「農福連携」が明記されたことは、これまでのアンバサダーとしての応援活動を、自社の事業として実装する段階に入ったことを意味します。自社のECサイトを通じたノウフク産品の販売やブランディング、あるいは企業と福祉事業所をマッチングさせるコーディネーターとしての役割を担うことが予想されます。城島が提唱する「ノウフクという文字があればアンテナを伸ばしてほしい」というメッセージは、消費者の行動変容を促す強力なマーケティングとなり得ます。

城島茂の専門技術と重機オペレーターとしての実力

城島茂が他の芸能人農業家と一線を画す最大の要因は、農業土木の領域においてもプロフェッショナルな資格と技術を有している点にあります。これは城島ファームの「現場力」を支える重要な資産です。

油圧システムへの深い造詣

城島は重機に対し「アイドルであり永遠の憧れ」と語るほどの偏愛ぶりを見せています。「解体とは油圧に始まり油圧に終わる」「人類最大の発明は油圧だ」という独自の哲学を持っており、小さな力で巨大な質量を動かす油圧システムのメカニズムに深い敬意を払っています。

この情熱は資格取得という形で結実しています。城島は移動式クレーン運転士免許を保有しており、公道走行可能なクレーン車等を操作することができます。また車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み用及び掘削用)も修了しており、ショベルカー(バックホー)やブルドーザーなどの建設機械を操作して整地や掘削を行う資格を持っています。

これらの資格は『鉄腕DASH』の企画内で取得されたものですが、その後の実務経験によって職人レベルに達していると評されています。番組内では「城島親方」と呼ばれ、複雑な地形での掘削や繊細なクレーン操作を披露してきました。

農業経営における重機技術の優位性

農業経営において重機を扱えることのメリットは計り知れません。耕作放棄地の再生における抜根や整地、用水路の整備、農道の補修、ビニールハウスの建設など、農業の現場では土木工事が必要となる場面が多々あります。通常であれば外部業者に委託して高額なコストがかかるこれらの作業を、経営者自らが重機を操って完遂できる能力は、城島ファームの強力なコスト競争力および機動力となります。

災害時における復旧支援においてもこの技術は極めて有効です。倒木の撤去や土砂のかき出しなど、被災した農地の復旧において自ら重機を持ち込んで支援活動を行える芸能人は城島茂をおいて他にいません。これは「地域課題解決」を掲げる城島ファームの事業実効性を担保するものです。

福島県との絆と今後の地域連携

城島茂と福島の関係は、東日本大震災以降の支援活動を通じて強固なものとなっています。福島県庁内に設置された「TOKIO課」は象徴的な連携の証でしたが、株式会社TOKIOの廃業に伴いその存続や名称の扱いが不透明な状況となりました。

しかし福島県知事が「TOKIO解散は大きな衝撃だが、これまで県民に勇気を与えてくれた絆を持ち続けてほしい」と述べ、県職員も「今後の形は未定だが、城島・松岡両氏の判断次第で連携は続く」とコメントしているように、行政側の城島に対する信頼は揺らいでいません。

株式会社城島ファームの設立は、法人格が変わってもなお福島とのプロジェクトを継続するための受け皿としての機能を持っています。国分太一の活動休止によって閉ざされた「TOKIO-BA」のような物理的な交流拠点の喪失を埋めるべく、城島ファームが新たな形で福島県内での農業プロジェクトやイベントを企画する可能性は高いと考えられます。

自治体連携の可能性

城島茂の影響力は福島にとどまりません。日本農業新聞を愛読し、JAグループの幹部と対等に農業政策を議論できる知見を持っていることは業界内で広く知られています。多くの自治体が農業を通じた連携協定を模索しており、城島ファームがこれら自治体のアドバイザーやパートナーとして機能する余地は大きいと言えます。

城島の専門領域である「農福連携」や「6次産業化(加工・販売)」のノウハウは、過疎化に悩む地方自治体にとって貴重な資源です。城島ファームは単なるタレント事務所ではなく、地方創生のコンサルティングファームとしての側面も帯びていくことが予測されます。

城島ファームの将来展望

「想い」を売るECプラットフォームの構築

城島ファームが展開するEC事業は、既存の大手通販サイトとは異なる戦略をとっています。それは「物語の流通」です。DASH村での経験を通じて、城島は「作物が育つまでの物語」こそが最大の付加価値であることを熟知しています。

「安心して家族に届けられる商品」というコンセプトの下、城島自身が目利きを行い、生産者のこだわりや苦労、そしてその背景にある地域の歴史をコンテンツ化して発信することで、消費者の共感を喚起します。これは「応援消費」や「エシカル消費」のトレンドに合致しており、価格競争に巻き込まれない独自のブランド圏を構築することを目指しています。

教育事業による次世代育成

「共育」を掲げる教育事業は城島ファームの長期的な投資領域です。行政や教育機関と連携した「学びの場づくり」は、農業体験学習や出張授業といった形で具現化されることが想定されます。

城島が子供たちに伝えたいのは単なる栽培技術ではなく、「命の循環」や「自然への畏敬」といった精神的な価値です。彼が多摩川でカニの自切を見て生態系を推察したように、自然観察眼を養うことは子供たちの科学的探究心や問題解決能力を育むことにつながります。こうした教育プログラムの提供は、企業のCSR活動として評価されるだけでなく、将来的な農業従事者の裾野を広げるための種まきとなります。

まとめ

2026年1月1日に創業した株式会社城島ファームは、日本の芸能界と農業界の双方にとって重要なマイルストーンとなっています。アイドルグループのリーダーとしての華やかなキャリアと、泥にまみれて土を耕してきた25年の歳月、そして重機を操る職人的な技術が融合した唯一無二の事業体です。

2025年のグループ解散と不祥事という逆境は、皮肉にも城島茂を「組織のリーダー」から「自立した社会起業家」へと脱皮させる触媒となりました。新会社のコンセプト「今日を耕し、明日を育てる」という言葉は、失われた過去を嘆くのではなく、今ある土壌を耕し直し、新たな未来を自らの手で育てるという不退転の決意表明です。

城島ファームの取り組みは3つの点において社会的意義を持っています。第一に、農福連携の実装と普及です。アンバサダーとしての啓発活動から事業としての実践へとフェーズを移行させ、障がい者の社会参画を経済的に成立させるモデルケースを提示することが期待されます。第二に、農業の多機能性の発信です。農業が単なる食料生産にとどまらず、教育、福祉、地域コミュニティの形成に寄与する多面的な価値を持つことを、エンターテインメントの力で可視化しています。第三に、危機からの再生モデルの提示です。不祥事や解散による停滞を乗り越え、個人の専門性と情熱を核として新たな社会的価値を創造するレジリエンス(回復力)を示しています。

城島茂はマイクを置いたわけではありません。しかし彼の手には今、マイクと共に鍬(くわ)と重機の操縦レバーがしっかりと握られています。株式会社城島ファームは、彼がこれからの人生をかけて挑む最大の開墾プロジェクトであり、その成果は日本の地方、そして農業の未来に豊かな実りをもたらす可能性を秘めています。

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