年金受給者が確定申告を必要とするかどうかは、公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ公的年金等以外の所得金額が20万円以下である場合は確定申告不要となります。ただし、この「確定申告不要制度」には複数の条件や例外があり、制度を正しく理解しないと申告漏れによるペナルティを受けたり、逆に還付金を受け取り損ねたりするケースが発生します。本記事では、年金受給者の確定申告が必要となる具体的な条件とケースを詳しく解説し、2025年(令和7年)の税制改正による影響も踏まえた最適な対応策をお伝えします。
年金を受給している方にとって、確定申告は毎年頭を悩ませる問題です。特に、年金以外にアルバイト収入がある方、シルバー人材センターで働いている方、暗号資産で利益を得た方、不動産収入がある方などは、申告義務の有無を慎重に判断する必要があります。また、申告義務がない場合でも、医療費控除や生命保険料控除を適用するために確定申告を行うことで、税金が還付されるケースも多くあります。

年金受給者の確定申告不要制度とは
年金受給者の確定申告不要制度とは、一定の条件を満たす年金受給者が所得税の確定申告を行わなくても良いとされる制度です。この制度は、年金受給者の事務負担を軽減する目的で設けられました。
確定申告不要制度の2つの要件
確定申告不要制度を利用するためには、2つの要件を同時に満たす必要があります。第一の要件は、公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となるものであることです。ここでいう「収入金額」とは、介護保険料や国民健康保険料、所得税などが天引きされる前の額面金額を指します。老齢基礎年金と厚生年金、企業年金など複数の年金を受け取っている場合は、その合算額で判定することになります。
第二の要件は、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であることです。こちらは「収入」ではなく「所得」で判定される点が重要です。所得とは、収入から必要経費を差し引いた後の金額を意味します。給与収入がある場合は給与所得控除後の金額、生命保険の満期金がある場合は一時所得の計算後の金額が対象となります。
公的年金等が「雑所得」に分類される理由
公的年金等は税法上「雑所得」に分類されます。雑所得とは、利子、配当、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡、一時所得のいずれにも該当しない所得を指します。公的年金等については、他の雑所得とは区分され、年齢と収入に応じた「公的年金等控除」という特別な概算経費枠が設けられています。65歳以上の場合、公的年金等控除額は最低110万円となっており、この控除は高齢者の生計を支える配慮として機能してきました。
確定申告が必要となる条件とケース
確定申告不要制度の要件を満たさない場合、年金受給者であっても確定申告を行う義務が生じます。以下では、具体的にどのような条件やケースで申告が必要になるのかを詳しく解説します。
公的年金等以外の所得が20万円を超えるケース
確定申告不要制度の「20万円基準」を超えるケースは、現代のシニアライフにおいて珍しくありません。代表的な例として、暗号資産(仮想通貨)による利益があります。暗号資産の売却益や、暗号資産を使用した決済、他の暗号資産への交換によって生じた利益は「雑所得」として扱われます。株式の特定口座のような源泉徴収制度が存在しないため、年間の利益が20万円を超えた場合は、必ず自ら計算して確定申告を行う義務があります。
不動産所得がある場合も申告が必要となるケースが多くあります。相続した実家を賃貸に出している場合や、アパート経営を行っている場合、賃料収入から固定資産税、減価償却費、修繕費、管理費などの必要経費を差し引いた「不動産所得」が20万円を超えれば申告義務が発生します。不動産所得については、青色申告承認申請を行えば10万円または55万円、65万円の特別控除を受けることができ、節税効果を高めることが可能です。
一時所得として、養老保険や個人年金保険の満期金を一時金として受け取った場合も注意が必要です。一時所得の課税対象額は、「(受取金額-払込保険料総額-特別控除50万円)×1/2」という計算式で算出されます。この計算結果が20万円を超える場合、申告義務が生じます。逆算すると、受取金額と払込保険料の差益が90万円を超える場合に課税対象額が20万円となるため、長期間積み立ててきた保険が満期を迎える年は差益の確認が必須です。
外国年金を受給しているケース
確定申告不要制度の対象外となる重要な例として、外国年金の受給があります。確定申告不要制度の第一要件にある「源泉徴収の対象となる」という文言は、実質的に日本の公的年金制度から支払われる年金を指しています。そのため、海外の公的機関から支払われる年金、たとえば米国のソーシャルセキュリティ年金やドイツの公的年金などを受給している場合、これらは日本国内での源泉徴収が行われていないため、受取額がたとえ少額であっても確定申告不要制度の対象外となります。
外国年金を受給している方が「年金は年金だから」と認識し、外国年金も含めて400万円以下であれば申告不要と誤認するケースがありますが、これは法令違反となります。外国年金は雑所得として申告し、必要であれば外国税額控除を適用して二重課税を回避する手続きを行わなければなりません。
シルバー人材センター配分金がある場合の注意点
シルバー人材センターからの配分金は、雇用契約に基づく「給与」ではなく、業務委託契約に基づく「雑所得」に分類されます。この配分金については、「家内労働者等の必要経費の特例」という制度があります。通常、雑所得の計算は「収入-実費経費」ですが、シルバー人材センターの配分金については、実費経費が少なくても一定額を経費として認める特例があります。
2025年(令和7年)の税制改正に伴い、この特例経費額は「65万円」に引き上げられました。この特例を適用すれば、配分金収入が65万円までなら所得はゼロとみなされ、他に所得がなければ確定申告不要制度の対象となります。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。他にアルバイトなどの給与所得がある場合、家内労働者等の特例額(65万円)は給与所得控除額と枠を共有するのです。つまり、アルバイト収入があり給与所得控除(最低65万円)を適用されている場合、配分金の計算において特例経費を重ねて使うことができません。この場合、配分金については実費経費(交通費など)しか引けないことになり、結果として雑所得が20万円を超え、申告義務が生じるケースが多発します。
2025年税制改正が年金受給者に与える影響
2025年(令和7年)は日本の税制において大きな転換点となりました。基礎控除の引き上げや扶養控除要件の変更など、年金受給者の手取り額に直結する改正が行われています。
基礎控除の大幅引き上げによる変化
2025年の確定申告において注目すべき変動要因は、基礎控除の引き上げです。これまでの税制では、合計所得金額が2,400万円以下の場合、一律48万円の基礎控除が適用されてきました。しかし、インフレ対策と労働供給の促進を目的とした「年収の壁」対策により、この基礎控除額が令和7年分から引き上げられました。引き上げ幅は最大で95万円(合計所得金額132万円以下の場合)に達し、従来の倍近い規模となっています。
この改正は、年金受給者自身の税額計算において「非課税ライン」を大きく押し上げる効果を持ちます。これまでは「公的年金等控除(110万円)+基礎控除(48万円)=158万円」が、65歳以上の単身者の非課税ライン(所得税)の目安でした。しかし、基礎控除が95万円となったことで、単純計算で205万円までの年金収入が所得税非課税となる可能性があります。
扶養親族所得要件の改定
基礎控除の引き上げは、年金受給者が「誰かを扶養する場合」および「誰かの扶養に入る場合」の双方に影響を及ぼしています。年金受給者が配偶者や子供を扶養する場合、扶養親族の所得要件(いわゆる103万円の壁)が、基礎控除の拡大に伴い「123万円の壁」等へとシフトしました。これにより、これまでパート収入が110万円あり扶養から外れていた配偶者が、再び扶養控除の対象となるケースが発生しています。
逆に、子供が年金受給者である親を扶養に入れる場合も要件が変わりました。親の年金収入が多少増えても、所得要件の緩和により、子供の税金を減らすための扶養親族として認定されやすくなっています。
定額減税の調整給付
2024年に実施された定額減税(所得税3万円、住民税1万円の減税)は、2025年の申告においても重要な要素でした。年金受給者の場合、年金支給時に源泉徴収税額から定額減税分が差し引かれていましたが、扶養親族の数に誤りがあったり、年金以外の所得があったりする場合、源泉徴収段階では正確な減税が行われていないことがありました。
引ききれなかった減税額がある場合、自治体からの「調整給付」として現金給付が行われましたが、この算定基礎となったのが確定申告(または住民税申告)のデータです。源泉徴収票の摘要欄には、定額減税の適用額や控除しきれなかった額(定額減税未済額)が記載されているため、これを必ず確認することが重要です。
確定申告をすべき還付申告のケース
確定申告不要制度の要件を満たしていても、確定申告を行うことで税金が還付されるケースがあります。「申告義務がない」ことと「申告しないほうが得」であることは異なります。
医療費控除の活用と「5%ルール」
多くの年金受給者が誤解しているのが「医療費控除は年間10万円以上払わないと使えない」という通説です。正確には、医療費控除の足切り額は「10万円」または「総所得金額等の5%」のいずれか低い方となります。
年金受給者の多くは、現役時代に比べて所得が低くなっています。たとえば、公的年金収入が250万円(65歳以上)の方の場合、公的年金等控除(110万円)を差し引いた雑所得は140万円となります。他に所得がない場合、総所得金額等は140万円です。この場合、足切り額は「140万円×5%=7万円」となります。つまり、年間の医療費が10万円に達していなくても、7万円を超えていれば、その超過分について医療費控除を受けることができます。
高齢者は通院費や医薬品代がかさむ傾向にあるため、この「5%ルール」を適用することで還付を受けられるケースは非常に多くあります。ドラッグストアで購入した市販薬(セルフメディケーション税制との選択適用)や、通院のための交通費も含めて計算し、領収書を整理しておくことが重要です。
社会保険料控除の漏れを防ぐ
公的年金から天引きされている介護保険料や後期高齢者医療保険料は、源泉徴収票に記載されており自動的に控除されます。しかし、以下のような社会保険料は、自分で申告しない限り控除されません。
納付書や口座振替で支払った国民健康保険料については、世帯主である年金受給者が家族分も含めて支払っている場合、その全額が控除対象となります。また、生計を一にする子供の国民年金保険料を親が支払った場合、その金額も親の控除として申告可能です。退職直後で会社の健康保険を任意継続して支払っている場合の保険料も同様です。これらを加算することで課税所得を圧縮し、還付金だけでなく、翌年の住民税や介護保険料の等級を下げる効果も期待できます。
ふるさと納税の注意点
ふるさと納税は、寄附金控除を通じて実質負担2,000円で返礼品を受け取れる制度であり、年金受給者も利用可能です。ただし、現役世代に比べて所得が低いため、控除の上限額(特例控除限度額)も低くなります。自分の上限額を超えて寄付をしてしまうと、単なる高い買い物になってしまうため、事前のシミュレーションが不可欠です。
また、確定申告不要制度を利用する場合でも、「ワンストップ特例申請書」を寄付先の自治体に提出していれば申告は不要ですが、医療費控除などで確定申告を行う場合は、ワンストップ特例が無効となります。その場合は、申告書上で改めて寄附金控除を記入する必要があります。
住民税申告の重要性と見落としがちな義務
年金受給者が見落としがちなのが、住民税申告の独立性です。所得税における「確定申告不要制度」は、あくまで国税庁管轄のルールであり、地方自治体が管轄する住民税には同様の免除規定がありません。
所得税と住民税のルールの違い
法律上、公的年金等以外の所得(個人年金、生命保険満期金、配分金、原稿料など)が1円でもある場合、原則として市区町村への住民税申告が必要です。所得税では「20万円以下なら申告不要」とされていても、住民税では「全額課税」が原則なのです。
この違いを理解せず、所得税の申告をしなかったから住民税もしなくて良いと思い込んでいると、後日自治体から申告のお尋ねが届いたり、所得証明書が必要になった際に未申告扱いとなっていたりするトラブルに見舞われます。
社会保険料への影響
住民税の申告漏れ、あるいは申告不要制度を使ったことによる情報の欠落は、単なる税金の問題にとどまりません。高齢者の生活コストに直結する「社会保険料」は、住民税の課税データをもとに算定されるからです。
65歳以上の介護保険料は、本人の合計所得金額や住民税の課税・非課税区分によって段階的に設定されています。わずかな所得の申告漏れや、適用できるはずの控除(寡婦控除や障害者控除など)の申告漏れによって、所得段階が1つ上がると、年間保険料が数万円跳ね上がることがあります。
75歳以上の後期高齢者医療制度においても、医療費窓口負担割合(1割、2割、3割)の判定に住民税の課税所得が用いられます。正しい申告を行わなかった結果、本来1割負担で済むはずが2割負担と判定され、医療費の支払いが倍増するリスクがあります。
国民健康保険料についても、低所得世帯に対する保険料の軽減措置(7割軽減、5割軽減など)を受けるためには、所得がない場合でもその旨を申告する必要があります。未申告のままだと軽減判定ができず、正規の保険料が請求されることがあります。
具体的なケース別シミュレーション
ここでは、具体的な状況を設定し、確定申告の必要性と最適な対応を解説します。
ケース1:シルバー人材センターで活動する72歳単身者
公的年金収入が180万円で源泉徴収税額がなく、シルバー人材センター配分金が60万円(必要経費実費として交通費等2万円)、医療費支払額が年間15万円、国民健康保険料を年間5万円支払っている場合を考えます。
公的年金180万円から公的年金等控除(110万円)を引くと雑所得は70万円です。シルバー配分金60万円は、2025年適用の特例経費65万円の枠内であるため、所得は0円とみなされます(他に給与がないため)。したがって、公的年金以外の所得は0円であり、確定申告不要制度の要件を満たすため、所得税の申告義務はありません。
また、年金から源泉徴収されていないため、所得税の還付もありません。しかし、住民税の申告において医療費控除を適用すべきです。雑所得70万円に対し、医療費控除の足切り額は「70万円×5%=3.5万円」となります。支払医療費15万円から3.5万円を引いた「11.5万円」が控除可能です。これにより、住民税の課税所得が圧縮され、翌年の介護保険料や国民健康保険料が下がる可能性が高くなります。このケースでは、所得税の申告は不要ですが、住民税の申告を行い、医療費控除と社会保険料控除を適用するのが最適な対応です。
ケース2:暗号資産で利益を得た68歳夫婦
夫(世帯主)が公的年金250万円、暗号資産売却益30万円、源泉徴収あり特定口座の株配当10万円を受け取り、妻が公的年金60万円、パート給与110万円を受け取っている場合を考えます。
夫の公的年金250万円は400万以下の要件を満たしますが、その他の所得として暗号資産の雑所得30万円があり、これは20万円を超えているため、確定申告義務が発生します。株の配当は源泉徴収あり口座なら申告不要を選択可能ですが、暗号資産のために確定申告をする際は、配当も含めて申告するかを選択できます(含めると国保料が上がるリスクがあります)。暗号資産の利益は総合課税の雑所得となり、年金所得と合算して税額が計算されます。
妻の扶養判定については、2025年の改正で扶養親族の所得要件が引き上げられたため、妻は夫の扶養控除対象(配偶者控除または配偶者特別控除)に入り続けることができる可能性があります。夫は確定申告書にて、妻を控除対象配偶者として記載し、配偶者控除を適用することで、自身の税負担を軽減できます。このケースでは、夫は必ず確定申告が必要であり、その際、妻の所得を正確に計算し、配偶者控除の適用漏れがないようにすることが重要です。
ケース3:外国年金と不動産所得がある66歳元会社役員
日本の公的年金が300万円、米国のソーシャルセキュリティ年金が年間80万円(日本円換算)、不動産賃貸業で収入200万円・経費250万円(50万円の赤字)という状況を考えます。
米国年金80万円は、日本では源泉徴収されていないため、確定申告不要制度の対象外となります。したがって、必ず申告が必要です。不動産所得は50万円の赤字ですが、不動産所得の赤字は他の所得(年金等の雑所得)と損益通算が可能です。つまり、年金所得から不動産の赤字50万円を差し引くことができ、これにより全体の課税所得が減り、税金が安くなります。
このケースでは、申告義務があるだけでなく、損益通算による節税メリットが大きいため、青色申告決算書(不動産用)を作成し、詳細な確定申告を行うべきです。
申告手続きの方法と申告期間
2025年分の確定申告期間は、2026年2月16日から3月16日までとなります。還付申告のみの場合は、2026年1月1日から受付可能です。
申告書の作成方法
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、パソコンやスマートフォンから画面の案内に従って入力するだけで、自動計算された申告書が作成できます。マイナンバーカードとICカードリーダー(またはマイナンバーカード対応スマホ)があれば、e-Tax(電子申告)により自宅から送信可能です。計算ミスを防げるため、最も推奨される方法です。
税務署の相談会場では、職員のアドバイスを受けながら作成できますが、期間中は数時間待ちとなることも珍しくありません。入場整理券が必要な場合が多いため、事前の確認が必要です。郵送で提出する場合は、作成した申告書を管轄の税務署へ送付します。
申告を怠った場合のペナルティ
申告義務があるにもかかわらず申告を行わなかった場合、税務調査等で指摘されると重いペナルティが課されます。無申告加算税は原則として納付すべき税額の15%(50万円を超える部分は20%)が加算されます。さらに、令和6年以降の改正により、300万円を超える高額な無申告については税率が30%に引き上げられました。ただし、税務署からの調査通知前に自主的に申告した場合は5%に軽減されます。
延滞税は、納期限の翌日から納付日までの日数に応じて利息相当分が徴収されます。最初の2ヶ月は年2.4%程度ですが、それ以降は年8.7%以上に跳ね上がるため、放置すればするほど負担は増えます。仮想通貨の利益を隠蔽するなど悪質と判断された場合は、35%〜40%の重加算税が課されます。
過去の申告漏れへの対応
過去の申告で控除を忘れていた場合や、申告すべきだったのにしていなかった場合は、過去5年分まで遡って手続きが可能です。医療費控除の漏れなど、税金を戻してもらう還付申告は過去5年分までいつでも提出可能です。すでに申告済みだが計算ミスや控除漏れで税金を払いすぎていた場合は、更正の請求という手続きで訂正を求めることができます。申告義務があったのにしていなかった場合は期限後申告となりますが、自主的に行えばペナルティは軽減されます。
年金受給者の確定申告で押さえるべきポイント
年金受給者が確定申告について判断する際に押さえておくべきポイントをまとめます。
まず、「400万円・20万円の壁」の真の意味を理解することが重要です。公的年金等の収入が400万円以下で、かつ公的年金等以外の所得が20万円以下であれば確定申告不要制度を利用できますが、これはあくまで「申告義務の免除」であり、「納税の免除」ではありません。医療費控除、生命保険料控除、地震保険料控除、雑損控除、寄附金控除などは、年末調整のない年金受給者の場合、確定申告を行わない限り適用されません。
次に、住民税申告の独立性を認識することが大切です。所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要なケースは多くあります。住民税の申告を適切に行うことで、介護保険料や後期高齢者医療保険料、国民健康保険料の負担を軽減できる可能性があります。
さらに、外国年金やシルバー人材センター配分金など、特殊なケースには特に注意が必要です。外国年金は確定申告不要制度の対象外であり、シルバー人材センター配分金は他の給与所得との控除枠の競合に注意が必要です。
2025年の税制改正により、基礎控除の引き上げや扶養控除要件の変更が行われました。これらの変更を正しく理解し、自身の税務状況に当てはめて判断することが求められます。不明な点がある場合は、税務署の無料相談を活用することをお勧めします。
確定申告は面倒に感じるかもしれませんが、正しく理解して取り組むことで、本来受け取れる還付金を確保し、社会保険料の負担を適正化することができます。年金受給者にとって、確定申告は資産を守るための重要な手続きといえるでしょう。


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