公的年金の確定申告不要な人とは?年収400万円以下の申告不要制度を解説

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公的年金を受給している方にとって、確定申告が必要かどうかは毎年気になるポイントです。結論として、公的年金等の収入が年間400万円以下で、かつ公的年金等以外の所得が20万円以下であれば、「確定申告不要制度」により所得税の確定申告をする義務はありません。この制度は2011年(平成23年)分の所得税から導入された恒久的な制度であり、大多数の年金受給者が対象となっています。

ただし、「申告不要」は「何もしなくてよい」という意味ではありません。住民税の申告義務が別途存在するケースや、あえて確定申告を行うことで税金が還付される場合もあります。この記事では、確定申告不要制度の具体的な要件から、住民税との違い、還付申告の活用法、さらには社会保障制度への影響まで、年金受給者が知っておくべき情報を詳しく解説します。

  1. 公的年金等に係る確定申告不要制度とは
  2. 年収400万円以下の要件と「公的年金等」の範囲
    1. 公的年金等に含まれるものと含まれないもの
    2. 400万円という基準が設けられた意味
  3. 公的年金等以外の所得20万円以下の判定方法
    1. 給与所得がある場合の判定についての解説
    2. 個人年金保険の所得がある場合の判定についての解説
    3. 一時的な所得がある場合の判定についての解説
  4. 公的年金等控除の仕組みと65歳を境にした違い
    1. 65歳未満の年金受給者に適用される控除額
    2. 65歳以上の年金受給者に適用される控除額
    3. 高所得者に対する公的年金等控除額の調整
  5. 住民税の申告が必要なケースと確定申告不要制度の落とし穴
    1. 所得税と住民税における申告ルールの違い
    2. 公的年金等のみを受給している場合の住民税申告
    3. 公的年金等以外に所得がある場合の住民税申告
    4. 所得控除を追加したい場合の住民税申告
    5. 住民税非課税限度額の目安と地域差
  6. 確定申告不要でも還付申告を活用すべきケースとその方法
    1. 医療費控除で税金を取り戻す方法と知られていない特例
    2. 社会保険料控除と生命保険料控除の追加による節税
    3. ふるさと納税を利用する際の重要な注意点
  7. 社会保障制度への影響と非課税世帯になることで得られるメリット
    1. 国民健康保険料の軽減判定への影響
    2. 介護保険料の段階区分への影響
    3. 高額療養費制度における自己負担限度額の大きな違い
  8. 確定申告をしなかった場合に発生するペナルティとリスク
    1. 無申告加算税と延滞税の仕組み
    2. 重加算税と刑事罰についての注意
    3. 所得証明書が発行されないことによる生活への支障
  9. ケース別に見る年金受給者の最適な確定申告の対応方法
    1. 年金収入250万円で医療費が年間15万円かかったケース
    2. 年金収入180万円でアルバイト収入が年間80万円あるケース
    3. 年金収入150万円のみで源泉徴収税額がゼロのケース
    4. 年金収入300万円で株式投資の損失があるケース
  10. まとめとして知っておきたい年金受給者の確定申告についての考え方

公的年金等に係る確定申告不要制度とは

公的年金等に係る確定申告不要制度とは、一定の条件を満たす年金受給者が所得税の確定申告を行わなくてもよいとする制度です。この制度は租税特別措置法などの時限立法ではなく、所得税法上の恒久的な制度として位置づけられています。2011年(平成23年)分以降の所得税から導入されました。

制度が設けられた背景には、日本における高齢化の進展があります。年金受給者の急増に伴い、確定申告を行う対象者が増え、税務署の窓口混雑や行政コストの増大が課題となっていました。そこで、行政事務の簡素化と高齢者の事務負担軽減という二つの目的を達成するために、この制度が導入されました。

申告不要制度の適用を受けるためには、二つの要件を同時に満たす必要があります。第一の要件は「公的年金等の収入金額の合計が400万円以下であること」、第二の要件は「公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であること」です。この二つの要件について、以下で詳しく解説します。

年収400万円以下の要件と「公的年金等」の範囲

確定申告不要制度の第一の要件である「公的年金等の収入金額が400万円以下」について、正しく理解するためには「公的年金等」の定義を正確に把握することが重要です。ここでいう「収入金額」とは、税金や社会保険料が差し引かれる前の額面金額を指します。複数の年金を受給している場合は、それらの合算額で判定されます。

公的年金等に含まれるものと含まれないもの

税法上の「公的年金等」には、国が運営する国民年金(老齢基礎年金)厚生年金、かつての共済年金が含まれます。さらに、企業が主体となる確定給付企業年金厚生年金基金適格退職年金契約に基づく退職年金なども対象です。近年普及が進む確定拠出年金(iDeCoや企業型DC)から受け取る老齢給付金も、公的年金等として扱われます。

一方で、生命保険会社などと個別に契約して受け取る個人年金保険は「公的年金等」には該当しません。個人年金保険の収入は「公的年金等以外の所得」としてカウントされるため、400万円の判定枠には含めません。この区別を誤ると、申告不要の判定自体を誤るリスクがあるため注意が必要です。

400万円という基準が設けられた意味

厚生労働省の統計等を踏まえると、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて400万円を超える受給者は少数派です。この基準は実質的に大多数の年金受給者が第一要件をクリアできるよう設定されており、多くの高齢者を申告手続きから解放しようという意図が読み取れます。ただし、海外の年金を受け取っている場合など、源泉徴収の対象とならない公的年金等がある場合は、たとえ400万円以下であっても制度の対象外となる点には留意が必要です。

公的年金等以外の所得20万円以下の判定方法

確定申告不要制度の第二の要件は、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であることです。ここで重要なのは、「収入」ではなく「所得」で判定されるという点です。所得とは、収入から必要経費や法定控除を差し引いた後の金額を指します。

給与所得がある場合の判定についての解説

定年後にアルバイトやパートで給与を得ている場合、その収入は「給与所得」として計算されます。給与所得の計算では最低55万円の給与所得控除が認められています。したがって、アルバイトの年間収入が75万円以下であれば、そこから55万円を差し引いた所得金額は20万円以下となり、申告不要の要件を満たします(75万円 − 55万円 = 20万円)。逆に言えば、年金以外に給与収入が年間75万円を超えると、確定申告義務が発生する可能性が高まります。

個人年金保険の所得がある場合の判定についての解説

公的年金等に含まれない個人年金保険を受け取っている場合、その所得は「収入金額 − 必要経費」で計算されます。必要経費は「その年の年金受取額 ×(払込保険料総額 ÷ 年金総支給見込み額)」という計算式で求められます。多くの個人年金保険では受取額の大部分が元本の払い戻しとしての性格を持つため、収入額が数十万円あっても所得としては20万円以下に収まるケースが少なくありません。

一時的な所得がある場合の判定についての解説

満期保険金や一時金を受け取った場合の「一時所得」や、金を売却した場合の「譲渡所得」なども20万円判定の対象です。一時所得には「総収入金額 − 収入を得るために支出した金額 − 特別控除額(最高50万円)」の2分の1が課税対象になるという計算特例があります。そのため、実際の受取額が大きくても所得としては20万円以下になる場合があります。所得の種類ごとに計算方法が異なるため、20万円の判定は慎重に行う必要があります。

公的年金等控除の仕組みと65歳を境にした違い

年金収入に対する税負担を理解するうえで欠かせないのが、「公的年金等控除」の仕組みです。この控除は給与所得者における給与所得控除に相当するもので、受給者の年齢と年金収入額によって控除額が段階的に定められています。

65歳未満の年金受給者に適用される控除額

65歳未満の場合、公的年金等の収入が60万円以下であれば所得はゼロとなります。収入が130万円未満であれば控除額は60万円です(公的年金等に係る雑所得以外の所得が1,000万円以下の場合)。65歳未満の年金受給者は主に若年退職者や繰り上げ受給者が該当し、現役世代の給与所得控除と比較しても一定の配慮がなされた控除水準となっています。

65歳以上の年金受給者に適用される控除額

65歳以上の受給者には、より手厚い控除が設定されています。公的年金等の収入合計が110万円以下の場合、控除額が収入金額と同額となるため、雑所得はゼロになります。老齢基礎年金のみ(満額で約78万円程度)を受給している多くの高齢者は、所得税法上の所得がゼロとなり課税されません。

収入が110万円を超え330万円未満の範囲では、控除額は一律110万円です。例えば年金収入が300万円の方であれば、300万円から110万円を引いた190万円が雑所得となります。65歳に達すると控除の最低保障額が大きく跳ね上がるため、同じ年金収入でも税負担は大幅に軽減される構造になっています。

高所得者に対する公的年金等控除額の調整

近年の税制改正により、公的年金等以外の所得が1,000万円を超える場合には公的年金等控除額が減額される仕組みが導入されました。年金以外の所得が1,000万円超2,000万円以下の場合は一律10万円、2,000万円超の場合は20万円が控除額から減額されます。ただし、年収400万円以下の層においてこの所得制限に抵触するケースは稀であると考えられます。

住民税の申告が必要なケースと確定申告不要制度の落とし穴

確定申告不要制度を利用する際に最も誤解が生じやすいのが、住民税(個人住民税)の取り扱いです。所得税と住民税は課税主体が国と地方自治体で異なり、申告義務の範囲も異なります。

所得税と住民税における申告ルールの違い

所得税における「年金400万円以下かつ他所得20万円以下なら申告不要」という特例は、あくまで国税の手続き簡素化のためのルールです。地方税法には同様の「20万円以下の所得免除ルール」は存在しません。住民税は地域社会の会費としての性格を持ち、より広い範囲の住民から徴収することを原則としているため、所得税では無視される20万円以下の副業所得や少額の個人年金利益であっても、住民税においては全額を申告し課税対象とする必要があります。

公的年金等のみを受給している場合の住民税申告

公的年金等の収入しかなく、源泉徴収票に記載されている控除内容に変更がない場合は、原則として住民税の申告も不要です。年金支払者(日本年金機構など)から各市区町村へ「公的年金等支払報告書」が直送され、自治体が所得情報を把握できるためです。

公的年金等以外に所得がある場合の住民税申告

たとえ20万円以下の少額所得であっても、公的年金等以外の所得がある場合は、お住まいの市区町村に対して住民税の申告書を提出する義務があります。例えば、年金生活の傍らで趣味の手工芸品を販売して年間5万円の利益を得た場合、所得税の確定申告は不要ですが住民税の申告は必要です。これを怠ると住民税の申告漏れとなり、所得証明書の発行や国民健康保険料の算定に支障が生じます。

所得控除を追加したい場合の住民税申告

年金から天引きされている社会保険料以外に、自分で納付した国民健康保険料や、医療費控除、生命保険料控除などを適用して住民税を安くしたい場合は、所得税の確定申告が不要であっても住民税の申告を行う必要があります。

住民税非課税限度額の目安と地域差

住民税には「非課税限度額」が設けられており、前年の合計所得金額がこの基準を下回る場合は住民税が課税されません。この基準は生活保護の級地区分に応じて自治体ごとに条例で定められています。大都市部(1級地)の場合の目安は以下の通りです。

世帯構成年金収入の目安合計所得金額の目安
65歳以上・単身155万円以下45万円以下
65歳以上・配偶者あり211万円以下101万円以下

自分の収入がこの非課税ラインに近い場合、医療費控除などの追加申告を行うことで所得を圧縮し、非課税世帯の認定を受けることができれば、その経済的メリットは非常に大きなものとなります。

確定申告不要でも還付申告を活用すべきケースとその方法

確定申告不要制度は「申告しなくてよい」という権利であり、「申告してはいけない」という禁止規定ではありません。年金受給者の多くは、源泉徴収によって本来の税額より多くの税金を天引きされている可能性があります。払いすぎた税金を取り戻す「還付申告」を積極的に活用することが大切です。

医療費控除で税金を取り戻す方法と知られていない特例

高齢期の大きな出費の一つが医療費です。一般的に「医療費が10万円を超えたら控除を受けられる」と言われますが、これは所得が200万円以上の方の基準です。年金収入のみで所得が200万円未満の場合は、「総所得金額等の5%」を超えた部分が控除対象となります。例えば年金収入が200万円(所得90万円)の方であれば、90万円の5%である4万5,000円を超えた医療費があれば控除が受けられます。10万円に達していなくても申告する価値があるこの特例は、意外と知られていません。

また、ドラッグストアで特定の市販薬(スイッチOTC医薬品)を年間1万2,000円以上購入している場合は、セルフメディケーション税制を利用して控除を受けられる可能性があります。通常の医療費控除との選択適用になりますが、健康診断を受けていることなどを条件に利用でき、医療費が少ない年でも活用できます。

社会保険料控除と生命保険料控除の追加による節税

年金から天引きされている介護保険料や後期高齢者医療保険料は自動的に控除計算されていますが、それ以外の保険料は申告しないと控除されません。配偶者や子供の国民年金保険料、国民健康保険料を世帯主が口座振替などで支払っている場合は、その全額を支払った人の所得から控除できます。これは数万円から十数万円単位の所得圧縮効果があります。

民間の保険会社に支払っている生命保険料や地震保険料についても、控除証明書を添付して申告することで控除を受けられます。特に個人年金保険料控除は、自身の老後資金形成に伴う税制優遇として機能するため、該当する方は忘れずに申告することが重要です。

ふるさと納税を利用する際の重要な注意点

ふるさと納税は年金受給者であっても活用できます。寄付額のうち2,000円を超える部分が所得税と住民税から控除され、返礼品を受け取ることができます。ただし、ここで重大な注意点があります。ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」は「確定申告を行わないこと」が前提条件です。医療費控除を受けるために還付申告を行った場合、その時点でワンストップ特例の申請はすべて無効となります。確定申告書にはふるさと納税(寄付金控除)の情報も改めて全て記載しなければなりません。これを忘れると、ふるさと納税の控除が消滅し、単なる高額な寄付になってしまうリスクがあります。

社会保障制度への影響と非課税世帯になることで得られるメリット

確定申告や住民税申告の結果として確定する「所得」情報は、税金以外の社会保障制度における負担額の決定にも自動的に連携されます。この見えない連動性が、年金受給者にとって大きな影響をもたらします。

国民健康保険料の軽減判定への影響

国民健康保険料には所得に応じて負担する「所得割」と、加入者全員が負担する「均等割」があります。均等割については世帯の所得水準に応じて7割、5割、2割の軽減措置が設けられています。この軽減判定は申告された所得に基づいて行われるため、収入がないからといって住民税の申告をしないでいると、自治体は所得状況を把握できず軽減措置を適用できない場合があります。「未申告」扱いとなってしまうのです。適切な申告を行っておくことで、年間数万円単位の保険料削減につながる可能性があります。

介護保険料の段階区分への影響

介護保険料は本人の所得や世帯の課税状況に応じて、多くの自治体で9段階から10段階以上に細分化されています。区分が一つ上がるだけで年間の保険料が数千円から1万円以上変わることがあります。特に重要なのが「住民税非課税世帯」かどうかという点です。非課税世帯に認定されれば介護保険料は基準額よりも大幅に低く設定されます。還付申告で扶養控除などを追加し課税所得をゼロにすることで、この非課税区分に入ることができれば家計への恩恵は大きくなります。

高額療養費制度における自己負担限度額の大きな違い

医療費が高額になった際の自己負担上限額を定めた「高額療養費制度」においても、所得区分は決定的な意味を持ちます。70歳以上の場合の自己負担限度額を比較すると、その差は歴然です。

所得区分外来(個人)入院含む世帯上限
住民税非課税世帯(低所得II)8,000円24,600円
一般所得者18,000円57,600円

万が一の手術や長期入院が必要になった際、この区分の違いは数十万円の差となります。住民税非課税世帯であれば、申請により「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受けることもできます。これを医療機関の窓口に提示すれば、支払いが限度額までで済むだけでなく入院時の食事代も減額されます。この認定証の発行要件も住民税の申告状況に基づいています。

確定申告をしなかった場合に発生するペナルティとリスク

「申告不要」と「申告漏れ」は似て非なるものです。制度の要件を満たさないにもかかわらず申告をしなかった場合には、経済的なペナルティが発生します。

無申告加算税と延滞税の仕組み

公的年金等以外の所得が20万円を超えているにもかかわらず確定申告をしなかった場合は「無申告」となります。税務署の調査等により指摘を受けた場合、本来納めるべき税金に加えて「無申告加算税」が課されます。原則として納付税額の50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の加算となります。ただし、税務調査の通知前に自主的に申告した場合は5%に軽減されます。さらに、納期限から納付日までの日数に応じた「延滞税」も発生し、長期間放置するほど金額が増えていきます。

重加算税と刑事罰についての注意

所得を隠蔽したり仮装したりしたと認定された場合は、最も重い重加算税(40%)が課されます。さらに悪質な脱税行為とみなされれば、5年以下の懲役または500万円以下の罰金という刑事罰の対象となる可能性もあります。年金受給者であっても法的な責任は現役世代と変わりません。

所得証明書が発行されないことによる生活への支障

住民税の申告をしていない場合、行政は所得情報を保有していないため「所得証明書」や「非課税証明書」を発行できません。これらは公営住宅の入居申請や福祉サービスの利用申請、子供が親を扶養に入れる際の手続きなど、様々な場面で必要となる書類です。いざ必要になった時に発行できないという事態を避けるためにも、収入がない場合や非課税所得のみの場合であっても、住民税の申告を行っておくことが推奨されます。

ケース別に見る年金受給者の最適な確定申告の対応方法

具体的な状況に応じた対応を、代表的なケースごとに解説します。

年金収入250万円で医療費が年間15万円かかったケース

公的年金等以外に所得がなければ、確定申告不要制度の対象です。しかし、この場合は還付申告を行うことを強くおすすめします。医療費控除(15万円 − 10万円 = 5万円の所得控除)により、源泉徴収された所得税が戻ってくる可能性が高いためです。同時に翌年の住民税も安くなります。

年金収入180万円でアルバイト収入が年間80万円あるケース

この場合は確定申告が必要です。アルバイト収入80万円から給与所得控除55万円を差し引くと給与所得は25万円となり、20万円を超えるため申告不要制度は適用されません。確定申告を行えば所得税と住民税の申告が同時に完了します。

年金収入150万円のみで源泉徴収税額がゼロのケース

所得税の確定申告は不要であり、納めた税金がないため還付申告のメリットもありません。ただし、住民税の申告状況は確認しておくべきです。年金支払報告書が自治体に送られているため通常は不要ですが、国民健康保険料の軽減判定を確実にするため、自治体から送られてくる申告書があれば提出しておくのが安心です。

年金収入300万円で株式投資の損失があるケース

株式等の譲渡損失は、申告分離課税を選択して確定申告することで配当所得との損益通算や、翌年以降への繰越控除(3年間)が可能になります。ただし、申告することで合計所得金額が増えるケースがあり、国民健康保険料などが上がるリスクもあるため、総合的な損得を比較検討してから判断することが大切です。

まとめとして知っておきたい年金受給者の確定申告についての考え方

公的年金等に係る確定申告不要制度は、手続きの簡素化という点で有用な制度です。しかし、「申告不要」は「課税なし」を意味するわけではなく、住民税のルールは別物であることを常に意識する必要があります。

特に20万円以下の副収入がある場合は要注意です。所得税は申告不要でも住民税の申告義務は残ります。また、還付申告は資産防衛の手段として捉えることが重要です。医療費控除や扶養控除の追加により、税金の還付だけでなく住民税非課税世帯の認定を受けることで、医療費や介護保険料の大幅な負担軽減につながる可能性があります。

毎年1月に届く年金源泉徴収票を受け取ったら、医療費の領収書や各種控除証明書を整理し、申告によって得られるメリットをシミュレーションしてみることが大切です。制度の全容を理解し、自らの生活を守るために確定申告を「利用」するという視点が、これからの年金生活を安心して送るための重要な鍵となります。

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