中小企業 新ものづくり・新サービス展 2025出展企業一覧|注目の500社を徹底解説

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中小企業 新ものづくり・新サービス展 2025の出展企業一覧は、2025年12月16日から18日まで東京ビッグサイト東7・8ホールで開催される展示会に参加する約500社の企業情報です。本展示会は、国の「ものづくり補助事業」を活用して革新的な製品やサービスを開発した中小企業が一堂に会する日本最大級のビジネスマッチングイベントとなっています。入場料は無料で、製造・加工テクノロジー、くらし・ヘルスケア、素材・環境・インフラ、情報・DXの4つのゾーンに分かれた展示を通じて、新たなビジネスパートナーとの出会いや最新技術の情報収集が可能です。

この記事では、中小企業 新ものづくり・新サービス展 2025に出展する注目企業の詳細情報から、各技術分野のトレンド分析、さらには会期中に開催されるセミナー情報まで、来場を検討している方やビジネスパートナーを探している企業担当者に役立つ情報を網羅的に解説していきます。展示会への来場前に押さえておきたいポイントや、効率的に商談を進めるためのマッチング支援サービスについても詳しく紹介します。

  1. 中小企業 新ものづくり・新サービス展 2025とは
  2. 展示会の4つのゾーン構成
  3. 製造・加工テクノロジー分野の注目出展企業
    1. 株式会社ExtraBold:大型3Dプリンティング技術のパイオニア
    2. 有限会社馬場プラスチック:伝統美とAI成形技術の融合
  4. くらし・ヘルスケア分野の注目出展企業
    1. 愛媛製紙株式会社:食品廃棄物から生まれるナノファイバー素材
    2. エニーシステム株式会社:IoTで実現する見守りの革新
    3. 株式会社iMARe:認知症への科学的アプローチ
    4. 庭山綜合食品株式会社:長期保存と美味しさを両立した防災食
  5. 情報・DX分野の注目出展企業
    1. PinPon株式会社:AIアバターによるライブコマース革命
    2. 株式会社シマント:物流業界の課題を解決する配送計画システム
    3. 株式会社ヒューマノーム研究所:AI開発の民主化を実現
    4. 東京カートグラフィック株式会社:ゲームで学ぶ防災教育
    5. タビアン株式会社:オーバーツーリズム解消のためのプラットフォーム
  6. 素材・環境・インフラ分野の注目出展企業
    1. 株式会社貴船インスペクション:インフラ老朽化に対応する非破壊検査
    2. 新田スプリング株式会社:獣害対策の革新的ソリューション
    3. 有限会社ワイピーシー:環境配慮型ブロック「レンブロック」
  7. ビジネスマッチング支援サービスの活用方法
  8. 会期中のセミナープログラム
  9. 2025年の産業トレンドから見る展示会の意義

中小企業 新ものづくり・新サービス展 2025とは

中小企業 新ものづくり・新サービス展は、全国中小企業団体中央会が主催し、経済産業省や独立行政法人中小企業基盤整備機構、日本経済団体連合会が後援する大規模な展示商談会です。本展示会の特徴は、単なる新製品の見本市ではなく、国の重要施策である「ものづくり補助事業」を活用して開発された革新的な製品、サービス、技術を一堂に展示することで、新たなビジネスチャンスを創出する戦略的なプラットフォームとしての役割を担っている点にあります。

2025年の開催は、12月16日火曜日から12月18日木曜日までの3日間で行われます。開場時間については、初日の16日は午前11時から午後5時まで、2日目の17日は午前10時から午後5時まで、最終日の18日は午前10時から午後4時までと日によって異なるため、来場を予定している方は注意が必要です。会場は国内最大級の展示場である東京ビッグサイトの東7ホールおよび東8ホールで、約3,300平方メートルの展示面積に全国から選りすぐられた約500社が集結します。

本展示会のコンセプトは、明確な3つの柱で構成されています。第一の柱は「ものづくりとビジネスをつなぐ」ことであり、ものづくり補助事業で開発された技術の原石と、それをビジネスに活用したいバイヤーやパートナー企業をつなぐハブとしての機能を果たします。第二の柱は「新たなビジネスチャンスを生み出す」ことで、異業種交流やビジネスマッチングを通じて市場の創出や企業間連携を促進します。第三の柱は「中小企業・小規模事業者を活性化する」ことであり、販路開拓の成功体験を通じて企業の経営力強化ひいては日本経済全体の活性化に寄与することを目指しています。

展示会の4つのゾーン構成

中小企業 新ものづくり・新サービス展 2025の会場は、来場者の目的に合わせて4つのゾーンに区分けされています。それぞれのゾーンには特色ある出展企業が集まり、各分野における最新の技術動向を把握することができます。

製造・加工テクノロジーゾーンは、金属加工や機械部品、精密機器など、日本のものづくりの真骨頂とも言える技術が集まるエリアです。工場の自動化や生産効率化を求める製造業の担当者にとって、このゾーンは必見の場所となっています。3Dプリンティング技術やAIを活用した製造システムなど、製造現場の革新を支える最先端技術が展示されます。

くらし・ヘルスケアゾーンは、高齢化社会に対応した医療・介護機器や、生活の質を向上させる健康関連製品、食品などが展示されるエリアです。BtoCビジネスに近い領域の革新が見られ、ウェアラブルデバイスを活用した見守りシステムや認知症ケアのためのAIシステムなど、社会課題の解決に直結する製品が並びます。

素材・環境・インフラゾーンは、SDGsへの関心が高まる中で注目を集めるエリアです。環境負荷低減素材やリサイクル技術、防災インフラ、獣害対策製品など、持続可能な社会基盤を支える技術が紹介されます。インフラの老朽化対策や循環型経済の実現に向けた革新的な取り組みを知ることができます。

情報・DXゾーンは、AIやIoT、ロボティクスを活用したソリューション、業務効率化を支援するソフトウェアなどが並ぶエリアです。全産業的な課題であるデジタル化への解を提示し、物流DXやライブコマース、ノーコードAI開発ツールなど、中小企業のデジタル変革を支援する多様なソリューションが展示されます。

製造・加工テクノロジー分野の注目出展企業

製造・加工テクノロジー分野では、3Dプリンティング技術やAIを活用した製造システムなど、製造現場の革新を牽引する企業が多数出展します。

株式会社ExtraBold:大型3Dプリンティング技術のパイオニア

株式会社ExtraBoldは、製造業のサステナビリティと生産効率を同時に追求する企業として際立った存在感を示しています。同社が出展する「Rex-Butler(レックス・バトラー)」は、従来の常識を覆すロボットアーム式の大型3Dプリンターです。

通常の3Dプリンターはフィラメントと呼ばれる線状の樹脂を使用しますが、Rex-Butlerは樹脂の「ペレット(粒状)」をそのまま材料として使用できる独自設計のヘッドを搭載しています。一般工業用品と同じ安価なペレット材を使用できるため、材料コストを大幅に削減することが可能です。さらに廃プラスチックを粉砕したリサイクル材やバイオマスプラスチックなど、多様なコンパウンド材料を利用できる点が環境経営を目指す企業のニーズに合致しています。

技術的な特徴として、造形ユニットを産業用ロボットアームの先端に取り付けることで、従来の箱型プリンターでは不可能だった自由度の高い造形を実現しています。最大吐出量は1時間あたり15kgにも達し、大型の家具や建築資材、自動車部品の試作などを驚異的なスピードで製造することが可能です。金型を作らずに最終製品や大型の試作品を短時間で製造するこの技術は、多品種少量生産やオンデマンド生産のニーズに応える「グリーン・クリエイティブ」な製造装置として、サプライチェーンのあり方そのものを変える可能性を秘めています。

有限会社馬場プラスチック:伝統美とAI成形技術の融合

有限会社馬場プラスチックは、プラスチック成形加工において技術と感性の両面で興味深い展示を行います。同社の展示の目玉の一つは、自動車部品の製造過程で発生する廃プラスチックを再利用した「折り鶴チャーム」です。

この製品は単なるリサイクルグッズではありません。廃棄されるはずのプラスチックを回収、粉砕、溶解し、再び成形するというリサイクルプロセスを社内で完結させています。特筆すべきはそのデザイン性と精密さで、日本の伝統的な「折り鶴」の複雑な立体形状を、自動車部品製造で培った高度な金型技術で再現しています。インバウンド需要や日本文化の発信にも貢献する製品へと昇華させているのです。

また同社は製品展示だけでなく、製造現場の革新についてもアピールしています。射出成形機のAI化や検査・加工のロボット化を推進し、次世代の成形システムを構築しています。熟練工の勘や経験に頼りがちだった成形条件の設定をAIが最適化することで、不良率の低減や省人化を実現する取り組みであり、後継者不足や技術継承に悩む中小製造業にとって一つの理想的なモデルケースとなっています。

くらし・ヘルスケア分野の注目出展企業

くらし・ヘルスケア分野では、高齢化社会への対応や食の安全に関する革新的な製品を開発する企業が出展します。

愛媛製紙株式会社:食品廃棄物から生まれるナノファイバー素材

愛媛製紙株式会社は、環境配慮型素材への転換において大きな注目を集めています。同社が出展するのは、植物性食品廃棄物を原料としたアップサイクル素材「MaCSIE(マクシー)」です。製紙会社が長年培ってきたパルプ製造技術を応用し、柑橘類の皮などの食品残渣に含まれるセルロースをナノファイバー化したものです。

従来のセルロースナノファイバーは木材パルプ由来が主流でしたが、MaCSIEは食品工場で大量に廃棄される残渣を利用するため、資源の有効活用という観点で非常に優れています。さらに特筆すべきは、化学薬品を使用せず機械的な処理のみで製造される「完全無添加」のプロセスです。これにより食品や化粧品の原料として高い安全性を確保しています。

機能面では高い乳化安定性、保水性、増粘性を持ち、従来の合成添加物の代替として利用可能です。化粧品においては界面活性剤を使わずにクリームを作ることができ、食品においては独特の食感や保存性の向上に寄与します。愛媛県特産の柑橘類の搾汁残渣などを活用することで、地域産業の廃棄物問題を解決すると同時に高付加価値な新素材を生み出すという「サーキュラーエコノミー」の実践例として極めて高い評価を受けています。

エニーシステム株式会社:IoTで実現する見守りの革新

エニーシステム株式会社が開発した「パルスハートバンド」は、介護・医療現場の深刻な人手不足に対する解決策として注目されています。このリストバンド型のデバイスは、装着者の心拍数、体温、血中酸素飽和度(SpO2)、歩数などのバイタルデータを24時間連続で測定し、クラウドサーバーへ送信します。

最大の特徴はわずか12gという圧倒的な軽量設計と、装着するだけで自動的に起動する簡便さです。ボタン操作や複雑な設定が不要なため、デジタル機器に不慣れな高齢者や認知症の方でも違和感なく日常生活の中で使用できます。システムとしての強みはAIによる異常検知と即時通報機能にあり、AIがバイタルデータを常時解析して平常時とは異なる異常値を検出すると即座に管理者や家族へメールやアラートで通知します。

これにより介護施設における夜間の見回り業務の負担軽減や、独居高齢者の急病時の早期発見が可能になります。実際に病院や介護施設での導入が進んでおり、テクノロジーが「人に寄り添う」形での支援を実現している好例となっています。

株式会社iMARe:認知症への科学的アプローチ

株式会社iMAReは、高齢化社会の最大の課題の一つである認知症に対してリハビリテーションの観点からアプローチしています。同社は初期認知症の方のリハビリのための管理システムを展示します。

このシステムは軽度認知症の方を対象に、血液検査データなどをAIが解析してその原因を特定した上で改善策を提案する「間主客観性解析に基づいたヘルスケアマネジメントシステム」です。従来、認知症への対応は経験則に基づくケアが中心でしたが、同社はソニーが開発したアルゴリズムをカスタマイズしてAIを活用することで、個人の代謝タイプや体質に合わせた「科学的根拠に基づく」生活習慣の改善提案を可能にしました。

具体的には検査結果から5つの代謝グループを推定し、食事、運動、ストレスケアなどの具体的で的確なアドバイスを行います。認知症の進行を遅らせるだけでなく、本人の生活の質を維持し、家族や介護者の負担を軽減することを目指しています。

庭山綜合食品株式会社:長期保存と美味しさを両立した防災食

庭山綜合食品株式会社の「缶deボローニャ」シリーズは、くらしの安全を守る食の分野で注目を集めています。デニッシュパンの美味しさをそのままに、5年6ヶ月という長期保存を可能にした缶詰パンです。

一般的な非常食である乾パンなどとは異なり、しっとりとした食感と風味を持つこの製品は、災害時のストレスフルな環境において「普段と変わらない美味しい食事」を提供することで被災者の精神的なケアにも寄与します。プルトップ缶で缶切りが不要な点や、マフィンカップに入っていて直接手で触れずに食べられる衛生面への配慮など、現場のニーズを熟知した設計がなされています。日常時はキャンプやアウトドアの携行食として、非常時は備蓄食として機能する「フェーズフリー」な食品としての価値も高く評価されています。

情報・DX分野の注目出展企業

情報・DX分野では、AIやデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを創出する企業が多数出展します。

PinPon株式会社:AIアバターによるライブコマース革命

PinPon株式会社は、情報・DXゾーンで異彩を放つAIライブコマースソリューションを展示します。EC市場の拡大に伴い動画配信を通じて商品を販売するライブコマースが普及していますが、配信者の確保コストや配信時間の制約、多言語対応などが大きな課題となっていました。

同社のソリューションは、実在の人物ではなくAIアバターがライブ配信を行うという画期的なものです。Googleが出資するユニコーン企業と共同開発した技術基盤を活用し、150種類以上のAIアバターと42カ国語・600種類以上の音声を組み合わせることが可能です。テキストを入力するだけで自然な表情と口の動きで商品を説明する動画を生成でき、配信者の負担をゼロにします。

さらに強力な機能として、視聴者からのコメントに対する「自動返信機能」を備えています。AIが文脈を理解し人間のように即座に応答することで、視聴者の購買意欲を逃しません。また独自の「ワイプ機能」により、視聴者が希望すれば店舗スタッフとビデオ通話で直接相談することも可能になっており、無人化の効率性と有人対応の安心感をハイブリッドで提供しています。越境ECを狙う中小企業にとって言語の壁を越える強力なツールとなります。

株式会社シマント:物流業界の課題を解決する配送計画システム

株式会社シマントは、物流業界が直面する「2024年問題」(ドライバーの労働時間規制による輸送力不足)に対して配送計画システム「ロジGo」を提案します。

このシステムは、従来ベテラン配車マンの「勘と経験」に依存していた配車計画作成業務をデジタル化し標準化するものです。AI技術により、各企業固有の制約条件(車両の種類、配送先の指定時間、積載量など)を学習・分析し、最適なルートと車両の割り当てを自動で算出します。配車業務の属人化が解消されるだけでなく、積載効率の向上や空車走行の削減が実現し、物流コストの削減とドライバーの労働環境改善に貢献します。さらに請求業務や日報作成などの事務作業もシステム上で一元管理できるため、物流事業者全体のDXを強力に推進するツールとなっています。

株式会社ヒューマノーム研究所:AI開発の民主化を実現

株式会社ヒューマノーム研究所の「Humanome Eyes」は、AI導入のハードルを劇的に下げる革新的なツールです。多くの中小企業にとって、AI開発には専門的なプログラミング知識や高額な外注費が必要であり導入の障壁となっていました。

同社のツールはプログラミング不要(ノーコード)で物体検知AIを作成できる環境を提供します。ユーザーは自社の検査対象の画像をアップロードしマウス操作で学習させるだけで独自AIを構築できます。農業における野菜の選別、製造ラインでの不良品検知、インフラ点検におけるひび割れ検出など、現場の担当者自身がAIを開発・運用することが可能になります。AI技術の「民主化」を推進し、中小企業の現場力をデジタルで底上げする重要な取り組みです。

東京カートグラフィック株式会社:ゲームで学ぶ防災教育

東京カートグラフィック株式会社は、デジタルサイネージゲーム「守れ!サイガイ防衛隊」を出展します。これはハザードマップとゲームを組み合わせた教育コンテンツです。

プレイヤーはタッチパネル上の地図を操作し、キャラクターと共に自分の住む地域の災害リスクを予測したり危険箇所を探したりするゲームを通じて、楽しみながら防災知識を身につけることができます。従来のハザードマップは「見てもよくわからない」「自分事として捉えにくい」という課題がありましたが、ゲーミフィケーションの手法を取り入れることで子供から大人まで能動的に学習できるツールへと変革しました。自治体や商業施設でのイベント活用などが想定され、防災意識の啓発というソフト面での国土強靭化を支援します。

タビアン株式会社:オーバーツーリズム解消のためのプラットフォーム

タビアン株式会社は、体験共有型プラットフォーム「POSHA」により、観光地への極端な集中(オーバーツーリズム)という課題に挑みます。

POSHAはスマートフォンアプリを通じて旅行者に観光スポットの情報や写真を提供するだけでなく、観光客の「動線」をコントロールする機能を持っています。混雑している場所を避けて隠れた名所へ誘導したり、地域全体の回遊性を高めるようなルートを提案したりすることで、観光客の満足度向上と地域住民の生活環境保全の両立を目指しています。観光立国を目指す日本において、持続可能な観光のあり方を示すソリューションとして注目されています。

素材・環境・インフラ分野の注目出展企業

素材・環境・インフラ分野では、持続可能な社会基盤を支える技術を開発する企業が出展します。

株式会社貴船インスペクション:インフラ老朽化に対応する非破壊検査

株式会社貴船インスペクションは、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化問題に対応する赤外線建物診断技術を展示します。高精細な赤外線サーモグラフィカメラを活用し、建物の外壁タイルの浮きや雨漏りの経路などを「非接触」で診断する技術を持っています。

従来の打診検査(ハンマーで叩いて音を聞く検査)は足場を組む必要があり、コストと工期がかかる上、高所作業のリスクもありました。同社の技術はドローンに搭載した赤外線カメラを使用することで、足場なしで安全かつ迅速に調査を行うことを可能にします。さらに微細な温度変化(0.1度単位)を解析することで、目視では発見できない内部の劣化箇所を可視化し、事故を未然に防ぐ予防保全に貢献しています。

新田スプリング株式会社:獣害対策の革新的ソリューション

新田スプリング株式会社は「フレキシブルリングフェンス」で鳥獣被害に悩む地方の課題に応えます。高強度の金属製リングを網の目のように連結させた防護柵で、最大の特徴はその「柔軟性」と「軽量性」です。

従来の金網フェンスは重く、平坦な場所でないと設置が困難でしたが、リングフェンスは地形の起伏に合わせて自由に変形するため、山間部の急斜面や複雑な地形でも隙間なく設置できます。軽量であるため重機が入れない場所でも人力で運搬・設置が可能であり、高齢化が進む農山村部における設置作業の負担を大幅に軽減します。シカやイノシシによる農作物被害を防ぐだけでなく、市街地への出没対策としても期待されています。

有限会社ワイピーシー:環境配慮型ブロック「レンブロック」

有限会社ワイピーシーは、廃プラスチックや間伐材を独自配合した環境配慮型のブロック「レンブロック」を展示します。見た目はレンガのようですが非常に軽量で扱いやすく、子供でも簡単に組み立てることができます。

花壇の枠やインテリア、イベント時の簡易什器など用途は多岐にわたります。廃棄物を再利用して作られているため、使用後は再びリサイクルが可能であり、環境負荷を最小限に抑えた循環型製品として、SDGsに関心の高い企業や自治体からの注目を集めています。

ビジネスマッチング支援サービスの活用方法

中小企業 新ものづくり・新サービス展 2025では、来場者が効率的に商談を進められるよう充実したマッチング支援サービスが用意されています。

マッチングコンシェルジュデスクは、会期中に会場内に設置される産業支援機関の専門家が常駐する相談コーナーです。来場者は無料で利用でき、「自社の課題を解決できる技術を探している」「この製品の取り扱い企業を知りたい」といった抽象的な相談に対しても、コンシェルジュがデータベースを駆使して最適な出展企業を紹介してくれます。広大な会場で効率的にパートナーを見つけるための強力なナビゲーション機能として活用できます。

Webシステムによる事前マッチングも重要な支援策です。来場登録を行うと専用のマイページから出展者の詳細情報を検索し、お気に入り登録が可能になります。さらにシステム上で事前に出展者へコンタクトを取り、会期中の商談アポイントメントを設定することもできます。限られた時間を有効活用するためには、事前の情報収集とアポ取りが成功の鍵となります。

会期中のセミナープログラム

展示と並行して開催されるセミナーも本展の重要なコンテンツです。経営、技術、政策の第一線で活躍する講師陣が登壇し、中小企業の経営課題に直結するテーマで講演を行います。

12月16日(火曜日)のセミナーは、イノベーションとデザインに焦点が当てられます。GRAPH代表取締役の北川一成氏は「脱『印刷会社』で自社ブランドを確立~北川流『逆転経営術』~」と題し、下請けからの脱却と高付加価値化の極意を語ります。ネオマデザイン株式会社CEOの河野道成氏は「ユーザー視点の落とし穴」について講演し、技術先行になりがちな開発現場に対して真のユーザーニーズを捉える視点を提供します。

12月17日(水曜日)のセミナーは、より実務的かつ戦略的なテーマが並びます。ダイヤ精機株式会社の諏訪貴子社長による「中小企業における経営改革の実践」は、町工場の再生ストーリーとして多くの経営者に勇気を与える内容となっています。一方、経済産業省の山下浩司室長による「経済安全保障の観点からの技術流出対策」は、グローバル展開を狙う技術系企業にとって避けては通れないリスク管理の講義となります。

12月18日(木曜日)のセミナーでは、元ローソン・ジャパン社長であり現在は都築経営研究所代表の都築冨士男氏が「連携力により危機をチャンスに」をテーマに講演します。個社の力だけでなく企業間連携やネットワークの力が激動の時代を生き抜く鍵であることを説きます。

2025年の産業トレンドから見る展示会の意義

中小企業 新ものづくり・新サービス展 2025に出展する企業群を分析すると、2025年の産業トレンドとして「融合」というキーワードが浮かび上がります。製紙技術と食品廃棄物の融合(愛媛製紙)、プラスチック成形と伝統工芸の融合(馬場プラスチック)、ECとAIアバターの融合(PinPon)、介護とウェアラブルIoTの融合(エニーシステム)など、異なる要素を組み合わせてものづくり補助事業という触媒を加えることで、これまでにない価値が生まれています。

2025年は大阪・関西万博の開催年でもあり、日本の技術力が世界から注目される年です。その年末に開催される本展示会は、万博で提示された「未来社会」のビジョンを具体的な製品やサービスとして社会実装していくための重要なステップとなります。来場者には「技術のスペック」だけでなく、その背後にある「開発のストーリー」や「解決しようとしている社会課題」に焦点を当てて展示を見ることで、本展示会の真の価値を理解し自社のビジネスに取り入れるきっかけを得られるはずです。

日本の中小企業は長年にわたり高度な技術力と柔軟な対応力で世界市場をリードしてきましたが、デジタルトランスフォーメーションの加速、カーボンニュートラルへの対応、労働人口の減少といった複合的な社会課題に直面しています。こうした環境の中で、本展示会に集まる企業群は単なる「下請け」や「小規模事業者」という枠を超え、社会課題解決の主体者へと変貌を遂げていることを証明しています。中小企業 新ものづくり・新サービス展 2025は、その変革の最前線を体感できる貴重な機会となっています。

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