2025年11月15日、日本のスポーツ史において画期的な瞬間が訪れました。第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025が、本日開幕を迎えたのです。デフリンピックとは、聴覚障害を持つアスリートたちの国際的なスポーツの祭典であり、1924年にフランスのパリで第1回大会が開催されて以来、実に100年の歴史を誇る伝統ある大会です。日本での開催は今回が初めてであり、この記念すべき100周年の節目に日本が開催国として選ばれたことは、大変意義深いことといえます。東京2025デフリンピックでは、東京都を中心に静岡県と福島県の3都県にわたって21の競技種目が実施され、世界70から80の国と地域から約3,000人の選手が参加します。本記事では、デフリンピック東京2025の競技会場一覧、全21競技種目の詳細、そして11月15日から26日までの12日間にわたる日程について、包括的な情報をお届けします。デフスポーツの魅力や観戦方法、さらには日本代表選手への期待まで、この歴史的な大会を存分に楽しむための情報を網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。

デフリンピックの概要と東京2025大会の意義
デフリンピックという言葉をお聞きになったことがない方も少なくないかもしれません。デフ(Deaf)とは英語で「耳がきこえない」という意味を持ち、デフリンピックは聴覚障害者のための国際的なスポーツ大会として位置づけられています。この大会の歴史は非常に古く、1924年にフランスのパリで第1回大会が開催された際には、9か国から148人の選手が参加しました。これは障害のある人を対象とした大会としては、パラリンピックよりも36年も早く開催された世界初の国際大会であり、その先駆的な取り組みは高く評価されています。
大会名称は時代とともに変遷を遂げてきました。1924年から1967年までは「国際サイレント大会」と呼ばれ、1967年から2001年までは「世界ろう者競技大会」という名称が使用されていました。そして2001年5月16日に国際オリンピック委員会(IOC)の承認を得て、現在の「デフリンピック」という名称に正式に変更されました。デフリンピックの創始者はフランス人のユジェーヌ・リュバン=アルケであり、彼は「ろうのクーベルタン」と称されるほど、ろう者のスポーツ大会設立に多大な貢献を果たしました。
デフリンピックを運営する組織は国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)です。1924年の設立以来、デフリンピックやろう者世界選手権大会の開催を継続しており、現在の加盟国は104か国に上ります。夏季大会と冬季大会はそれぞれ4年に1度開催されており、オリンピックやパラリンピックと同様に、世界中の聴覚障害を持つアスリートたちが集う最高峰の大会となっています。なお、1989年に国際パラリンピック委員会(IPC)が発足した当初、国際ろう者スポーツ委員会も加盟していましたが、1995年にIPCから離脱しています。そのため、デフリンピックはパラリンピックとは別の独立した大会として運営されているのです。
東京2025デフリンピックの正式名称は「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」であり、開催期間は2025年11月15日(土)から11月26日(水)までの12日間です。開催都市は東京都、静岡県、福島県の3都県にまたがり、実施される競技数は21競技となっています。参加国・地域は70から80か国・地域、参加者数は約6,000人(選手約3,000人、ICSD役員・スタッフ・審判等約3,000人)と予定されています。アジア圏での開催は2009年の台北デフリンピック以来、4大会16年ぶりとなります。大会運営を支えるボランティアについては、3,000人の募集に対して18,903人もの応募が寄せられ、この大会への社会的関心の高さがうかがえます。
この大会は3つの大会ビジョンを掲げています。第一に「デフスポーツの魅力や価値を伝え、人々や社会とつなぐ」こと、第二に「世界に、そして未来につながる大会へ」すること、第三に「誰もが個性を活かし力を発揮できる共生社会の実現」です。東京2025デフリンピックは、単なるスポーツイベントにとどまらず、聴覚障害への理解を深め、共生社会の実現に向けた重要な一歩となることが期待されています。
デフスポーツの特徴と競技方法について
デフスポーツには、聴覚障害に起因する独特の特徴があります。聴覚障害によるハンデとして、バランス感覚の障害や情報量の少なさが挙げられます。個人スポーツでは、競技中の風の音や打球音、競技用具の音なども判断材料となることがありますが、聴覚障害者にとってはこれらの情報が得られないことがハンデとなります。団体スポーツでは、チームメイト同士の声がけで判断し次の動きをとる場面が多いですが、聞こえないとそれが難しくなります。そのため、常にチームメイトとのアイコンタクトが必要となり、ジェスチャーやサインなどでコミュニケーションをとることになります。
基本的な競技ルールは一般の競技と同じですが、審判などによる合図や打球音等が聞こえないため、フラッシュランプや旗などで視覚的に補って競技を行います。主審は笛とフラッグの両方を使用し、短距離種目では選手がスタートのロスなく走り出せるよう、光刺激スタートシステム(スタートランプ)が使用されます。スタートの合図は音ではなくライトの点灯で行われ、審判の発声は旗で知らせるなどの配慮がなされています。しかし、それ以外の競技ルールはオリンピックと同じです。また、大会中のコミュニケーションは国際手話により行われます。
公平性を確保するため、選手たちは競技会場での試合や練習の際、補聴器等を装用することを禁止されています。これは、選手同士が耳の聞こえない立場でプレーするという公平性の観点によるものです。デフリンピックへの参加資格は、補聴器や人工内耳の体外パーツ等をはずした裸耳状態で、聴力損失が55デシベルを超えている聴覚障害者とされています。
大会エンブレムと公式マスコットについて
東京2025デフリンピックの大会エンブレムは、筑波技術大学産業技術学部総合デザイン学科4年の多田伊吹さんがデザインしました。筑波技術大学は、国内唯一の聴覚障害者・視覚障害者のための国立大学です。エンブレムのテーマは「輪」であり、デフコミュニティの代表的なシンボルである「手」を表現しています。「手」には、デフリンピックを通じて競技と話題に「触れて」ほしいという想いが込められています。互いの交流やコミュニティが「輪」のように繋がった先には、新たな未来の花が咲いていくことを表現しており、花は桜の花弁をモチーフとしています。また、富士山やソメイヨシノなど日本を象徴する要素も含まれています。このエンブレムは、2023年9月3日に都内の中高生65名の投票により決定されました。
公式マスコットには、東京都のスポーツ推進大使である「ゆりーと」が任命されています。ゆりーとは、スポーツ祭東京2013のキャラクターとして誕生し、その後、東京都のスポーツイベント等で幅広く活躍してきました。デフリンピック仕様のデザインでは、大会エンブレムとの統一感を生む桜色を用いたTシャツを着用しています。桜色は日本の伝統色であり、「桜(ソメイヨシノ)」は東京都の花として指定されています。大会では桜色を大会メインカラーとして使用しています。
競技会場一覧の詳細情報
東京2025デフリンピックの競技会場は、主に東京都内に集中していますが、一部の競技は静岡県と福島県で開催されます。メインスタジアムは、1964年東京オリンピックの会場として使用された駒沢オリンピック公園総合運動場です。歴史ある会場で、新たな感動が生まれることが期待されています。
まず、東京都内の主要会場について詳しく説明します。駒沢オリンピック公園総合運動場は東京都世田谷区に位置し、広大な敷地内には陸上競技場、体育館、テニスコートなど、様々なスポーツ施設が整備されています。アクセスも良好で、多くの観客が訪れることが予想されます。この会場では陸上競技が11月16日から25日まで開催されるほか、ハンドボールが11月16日、17日、19日、21日、23日、25日に、そしてバレーボールも実施されます。駒沢オリンピック公園は1964年東京オリンピックの会場として知られており、この歴史的な場所で再び国際的なスポーツ大会が開催されることは非常に意義深いことです。
京王アリーナTOKYOではバレーボール競技が開催されます。この新しいアリーナは、最新の設備を備えており、選手たちにとって最高のパフォーマンスを発揮できる環境が整っています。国立オリンピック記念青少年総合センターは東京都渋谷区に位置し、会期中の大会関連プログラムの会場として使用されます。開催期間は11月15日から26日で、開場時間は9時00分から20時00分となっています。このセンターでは、競技以外の様々なプログラムや交流イベントが開催される予定です。
東京体育館は東京都渋谷区千駄ヶ谷1-17-1に所在し、開会式と閉会式の会場として使用されます。本日2025年11月15日に行われる開会式は、16時30分から19時00分(予定)に開催され、テーマは「Enjoy Communication Together(コミュニケーションを共に楽しもう)」です。東京武道館では柔道競技が11月16日から18日まで開催されます。日本発祥の武道である柔道を、専門の武道場で観戦できることは大きな魅力です。
東大和グランドボウルは東京都東大和市に位置し、ボウリング競技の会場として選ばれています。オリエンテーリング競技については、日比谷公園・日比谷エリアおよび首都高速道路で開催されます。具体的には、東京高速道路および首都高速道路高速八重洲線の一部で競技が行われ、都心部を舞台にした珍しい競技形態となります。また、伊豆大島(裏砂漠)でもオリエンテーリング競技の一部が開催されます。大島会場については観戦は可能ですが、観客席および駐車場の用意はありません。
東京都外の会場として、福島県のJヴィレッジではサッカー競技が開催されます。Jヴィレッジは、日本サッカー界にとって重要な施設であり、ナショナルトレーニングセンターとしても機能しています。駐車場も完備されており、車でのアクセスも可能です。静岡県の日本サイクルスポーツセンターでは自転車競技(ロード・マウンテンバイク)が開催されます。修善寺駅から会場への連絡バスが運行される予定で、公共交通機関でのアクセスも確保されています。このように、サッカーと自転車競技を除く全ての競技が東京都内の会場で開催される予定です。
全21競技種目の詳細解説
東京2025デフリンピックでは、21競技が実施されます。各競技種目について詳しく解説します。
陸上競技はデフリンピックの花形競技の一つであり、駒沢オリンピック公園総合運動場で11月16日から25日まで開催されます。短距離走、長距離走、跳躍、投擲など、様々な種目が実施されます。聴覚障害を持つアスリートたちが、視覚的なスタート合図のもと、世界記録に挑戦する姿は、多くの感動を呼ぶことでしょう。
バドミントンは、シングルス、ダブルス、混合ダブルスなど複数の種目が実施されます。音が聞こえない状況でのシャトルの動きの把握や、ペアとの連携は、視覚情報と身体感覚に頼ることになり、選手たちの高い技術力が求められます。バスケットボールは男女ともに実施され、チームワークとコミュニケーションが重要となります。聴覚障害を持つ選手たちが、視覚的なサインや手話を使ってコート上でコミュニケーションを取りながら、ダイナミックなプレーを展開します。
ビーチバレーボールは砂浜で行われる2人制の競技です。屋外競技特有の環境要因に加え、聴覚情報なしでのパートナーとの連携が求められます。ボウリングは精密さと集中力が求められる競技であり、聴覚に頼らないからこそ、自身の動作への集中度が高まり、高いスコアを叩き出す選手も多いです。
自転車競技(ロード)は静岡県の日本サイクルスポーツセンターで開催され、長距離を走破する持久力と、レース展開を読む戦略性が求められます。自転車競技(マウンテンバイク)はオフロードを走る競技であり、起伏のあるコースを駆け抜ける技術と体力が試されます。
サッカーは福島県Jヴィレッジで開催され、チームスポーツとして、視覚的なコミュニケーションが特に重要となります。審判の笛の代わりに旗が使用されるなど、デフスポーツならではの工夫が見られます。ゴルフは精神力と技術力が求められる競技であり、静寂の中で自分と向き合い、一打一打に集中する姿は、まさにデフスポーツの真髄を表しています。
ハンドボールは駒沢オリンピック公園総合運動場で開催され、スピーディーな展開と、ゴールを狙う正確なシュートが見どころです。柔道は日本発祥の武道であり、技の駆け引きと、一本を取るための集中力が勝敗を分けます。空手も日本発祥の武道であり、形と組手の両方で、技の美しさと実戦での強さが評価されます。
オリエンテーリングは地図とコンパスを使って、チェックポイントを巡りながらゴールを目指す競技です。判断力と体力の両方が求められます。射撃は精密な技術と集中力が求められる競技ですが、射撃競技は観客非公開で行われます。水泳はプールで行われ、スタートの合図はライトで知らされ、選手たちは自身のペースと技術を信じてレースに挑みます。
卓球は高速で打ち合う競技であり、反射神経と予測能力が勝負を決めます。テコンドーは韓国発祥の格闘技であり、足技を中心とした攻防が特徴です。テニスはシングルス、ダブルスなど複数の種目が実施され、コートを駆け回りながら、相手との駆け引きを楽しめます。
バレーボールは室内で行われ、チームワークと技術力が求められます。水球はプールで行われる球技であり、水中での体力消耗が激しく、非常にハードな競技です。レスリングはマット上での格闘技であり、技術と体力、そして精神力が試されます。
競技日程の詳細スケジュール
東京2025デフリンピックの競技日程は、2025年11月15日(土)から26日(水)までの12日間にわたって行われます。主要な日程について詳しく説明します。
2025年11月15日(土)は開会式が行われる日です。大会の幕開けを飾る開会式では、世界各国から集まった選手団の入場行進や、様々なパフォーマンスが予定されています。会場は東京体育館で、時間は16時30分から19時00分(予定)です。テーマは「Enjoy Communication Together(コミュニケーションを共に楽しもう)」であり、コンセプトは「互いの違いを尊重し、個性を活かして共に表現する」ことです。
開会式の演出を手がけるのは、俳優で演出家の大橋弘枝さんと、ダンスカンパニーコンドルズ主宰の近藤良平さんです。大橋さんは「手話言語や身体表現、視覚のアートで、ろう者の文化の豊かさと誇りをわかち合う場にします」と述べています。式典では、選手団の入場行進、開会宣言、選手宣誓、そしてホスト国の文化を表現するアーティスティックプログラムが実施されます。一般観覧席は開会式が約1,500席、閉会式が約2,500席の募集でしたが、抽選申込は8月31日で終了しています。式典の様子は配信も予定されているため、チケットを入手できなかった方も視聴可能です。
2025年11月16日(日)から25日(火)は競技期間です。各競技が順次行われます。特に、陸上競技は11月16日から25日まで、ほぼ全期間を通じて実施されます。ハンドボールは駒沢オリンピック公園総合運動場で11月16日、17日、19日、21日、23日、25日に開催されます。柔道は東京武道館で11月16日から18日まで開催されます。
2025年11月26日(水)は閉会式が行われる日です。12日間にわたる熱戦の幕を閉じる閉会式が開催されます。会場は東京体育館で、時間は16時30分から18時00分(予定)です。
その他の競技についても、それぞれの会場で計画的に日程が組まれています。詳細なスケジュールについては、公式サイトで競技スケジュールPDF(2025年11月12日更新版)が公開されています。なお、競技種目日程は暫定版として2025年1月31日時点で公開されており、その後2025年7月29日に更新されています。最新情報については、公式サイトを確認することをお勧めします。
観戦情報と応援方法について
東京2025デフリンピックの観戦について、重要な情報をお伝えします。全競技会場で無料観戦が可能であり、事前登録も不要です。どなたでも気軽に観戦できます。ただし、射撃競技のみ観客非公開となっています。全21競技の様子は、TOKYO 2025 DEAFLYMPICS公式YouTubeチャンネルでライブ配信されます。会場に足を運べない方も、自宅や外出先から競技を楽しむことができます。
アクセス情報として、駒沢オリンピック公園総合運動場は最寄り駅からのアクセスが良好で、多くの観客に便利な立地です。Jヴィレッジ(福島県)は駐車場完備で、車でのアクセスが可能です。日本サイクルスポーツセンター(静岡県)は修善寺駅から会場への連絡バスが運行されます。
観戦時の注意事項として、会場の混雑状況により、入場を制限またはお待ちいただくことがあります。各会場の混雑状況は公式ホームページ上で発信されるため、ご来場の際は事前に最新の情報をご確認ください。また、応援マナーとして、旗や横断幕の掲出ルールがあります。原則として駐車場の用意はありませんので、公共交通機関での来場をお願いしています。ただし、福島会場と静岡会場には駐車場があります。特に福島会場(Jヴィレッジ)では、サッカー競技にあわせて、最寄り駅となるJヴィレッジ駅に常磐線特急ひたち号が臨時停車する予定です。
応援方法として、「サインエール」という目で伝わる応援のカタチが開発されました。きこえる人もきこえない人も、全ての人がデフアスリートに想いを届けることができるよう、目で世界を捉える人々の身体感覚と日本の手話をベースに創られた応援方法です。声を出す応援とは異なり、視覚的な動作でエールを送ることができます。
また、東京都では、手話の動きを振り付けの一部に取り入れたダンス楽曲「しゅわしゅわ(星)デフリンピック!」を作成しています。この楽曲は、きこえる人もきこえない人も一緒に踊って楽しむことができる内容となっており、大会への関心を高め、共生社会への理解を深めるツールとしても活用されています。
大会運営を支えるボランティアには、手話でコミュニケーションが可能なボランティアが1,641人参加しています。そのうち国際手話が可能な人は447人です。6月以降、共通研修、手話言語研修、ろう者の文化等理解研修を順次実施し、大会に備えてきました。大会情報は国際手話と英語テキストで提供されます。また、各競技会場の入口付近には「総合受付」と「アクセシブル窓口」が併設されており、様々なサポートが受けられます。
日本選手団への期待と注目選手
東京2025デフリンピックには、日本選手団も参加します。全日本ろうあ連盟を中心に、各競技団体が選手の育成と選考を行ってきました。日本代表選手団は「31個以上のメダル獲得」という高い目標を掲げ、日々鍛錬を積み重ねてきました。ホームの利を活かし、多くのメダル獲得が期待されています。特に、柔道や空手など日本発祥の武道では、日本選手の活躍が注目されます。
陸上競技では、岡田美央選手が女子デフ陸上競技で3つの日本記録を持つ実力者です。2022年デフリンピックでは1500メートルで銅メダルを獲得しており、東京大会でのさらなる活躍が期待されています。樋口光盛選手は、デフ陸上の世界選手権で800メートル銀メダル、1500メートル銅メダルを獲得した中距離のスペシャリストです。
水泳競技は、日本が強みを持つ分野の一つです。過去の大会では、2017年夏季大会で男子が金・銀・銅メダル、女子が銅メダルを獲得しました。2022年の大会では、男子が金・銀、女子が金メダルを獲得しています。斎藤京香選手など、東京大会でのメダル獲得を目指して準備を進めている選手たちの活躍に注目です。
バレーボールでは、梅本沙也華選手がデフバレーボール世界選手権で優勝し、個人としてもベストアタッカー賞を獲得するなど、世界トップレベルの実力を持つ選手です。卓球の日本代表内定選手は男女4名ずつ決定しています。男子は川口功人、伊藤優希、亀澤史憲、灘光晋太郎の4選手、女子は山田萌心、亀澤理穂、木村亜美、山田瑞恵の4選手です。チーム一丸となってメダル獲得を目指します。
サッカーでは男女ともにメダル獲得の期待が高まっています。福島県Jヴィレッジで開催されるサッカー競技で、日本代表チームの戦いぶりに注目が集まります。バドミントンでは、沼倉昌明選手が「皆さんの期待に応えられるよう、頑張ります」と意気込みを語っており、会場での声援が選手の力になることでしょう。
デフリンピック観戦の意義と共生社会への一歩
デフリンピックを観戦することは、単にスポーツ観戦を楽しむだけでなく、聴覚障害への理解を深める貴重な機会となります。選手たちは、聴覚に頼ることなく、視覚情報や身体感覚を最大限に活用してパフォーマンスを発揮します。その姿は、障害を持つ人々の可能性の広さを示すとともに、私たちに多くのことを教えてくれます。スタートや審判の合図は、笛やピストルの音を「きく」のではなく、光や旗で「見る」という特徴があり、この違いを体感することも貴重な経験となるでしょう。
また、デフリンピックでは国際手話が使用されます。手話という視覚言語の美しさや表現力の豊かさに触れることで、コミュニケーションの多様性について考えるきっかけにもなるでしょう。この大会は「障害のある人とない人とのコミュニケーションや情報バリアフリー、情報アクセシビリティを推進し、きこえる人ときこえない人が共に生きる共生社会の実現へのさらなる前進をめざす」ことを掲げています。観戦を通じて、私たち一人ひとりが共生社会について考える機会となることが期待されています。
大会後のレガシーと今後の展望
東京2025デフリンピックは、大会終了後も様々なレガシーを残すことが期待されています。まず、デフスポーツの普及として、大会を通じてデフスポーツへの認知度が高まり、競技人口の増加や環境整備が進むことが期待されます。次に、共生社会の実現として、聴覚障害への理解が深まり、様々な場面でのバリアフリー化や情報保障の充実が進むことが期待されます。
スポーツ施設のアクセシビリティ向上として、大会のために整備された施設や設備が、今後のスポーツイベントや日常的なスポーツ活動に活用されることが期待されます。国際交流の促進として、世界各国から集まった選手や関係者との交流を通じて、国際的なネットワークが構築されることが期待されます。
東京2025デフリンピックは、日本初開催かつデフリンピック100周年という記念すべき大会です。2025年11月15日から26日までの12日間、東京都を中心に、静岡県、福島県の3都県で21競技が実施されます。メインスタジアムとなる駒沢オリンピック公園総合運動場をはじめ、各競技会場では世界中から集まったデフアスリートたちが熱戦を繰り広げます。全競技無料で観戦でき、公式YouTubeチャンネルでのライブ配信も行われるため、多くの方が大会を楽しむことができます。
この大会は、デフスポーツの魅力を伝えるとともに、共生社会の実現に向けた重要な一歩となることが期待されています。ぜひ会場に足を運ぶか、ライブ配信で、デフアスリートたちの素晴らしいパフォーマンスをご覧ください。東京2025デフリンピックは、日本のスポーツ史、そして共生社会への歩みにおいて、記念すべき大会となるでしょう。この機会に、デフスポーツの世界に触れ、新たな発見と感動を体験してください。


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