SEMICON Japan 2025でキヤノンが披露する半導体製造装置の全貌を徹底解説

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SEMICON Japan 2025は、2025年12月17日から19日にかけて東京ビッグサイトで開催される世界最大級の半導体製造装置・材料の国際展示会であり、キヤノンは同展示会において過去最大規模の戦略的展示を行います。キヤノングループ3社(キヤノン株式会社、キヤノンアネルバ株式会社、キヤノンマシナリー株式会社)が披露するのは、ナノインプリントリソグラフィ技術を搭載した「FPA-1200NZ2C」をはじめとする次世代半導体製造装置群であり、AI時代の半導体製造における消費電力削減と微細化の両立という課題に対する革新的なソリューションです。本記事では、SEMICON Japan 2025におけるキヤノンの展示内容を詳しく解説し、ナノインプリントリソグラフィ技術の特徴、先端パッケージング向け露光装置の進化、HBM製造を支える原子拡散接合技術、そしてキヤノンの環境技術戦略について、最新情報をお届けします。

SEMICON Japan 2025の開催概要とキヤノンの出展意義

SEMICON Japan 2025は、生成AIの爆発的普及に伴う半導体需要の急増と、環境負荷低減という相反する課題を抱える半導体産業にとって、極めて重要な転換点となるイベントです。本年のメインテーマは「AI x Sustainability x Semiconductor」であり、AI時代における持続可能な半導体製造のあり方が議論されます。

キヤノンは2025年12月3日付のニュースリリースにおいて、SEMICON Japan 2025での展示内容を発表しました。今回の展示の特徴は、単なる個別製品の紹介ではなく、微細化の限界を打破する「ナノインプリントリソグラフィ」、AIチップの大型化に対応する「先端パッケージング技術」、そして製造プロセスの脱炭素化を実現する「環境技術」を包括した、トータルソリューションとしての提案である点にあります。

東京ビッグサイトという日本最大の展示場を舞台に、キヤノンは半導体製造装置メーカーとしての新たなビジョンを世界に発信します。特に注目すべきは、ASML社が市場を独占するEUV(極端紫外線)露光技術に対して、キヤノンが約20年の研究開発期間を経て実用化したナノインプリントリソグラフィという代替技術を提示している点です。

ナノインプリントリソグラフィとは何か

ナノインプリントリソグラフィ(NIL)は、従来のフォトリソグラフィとは全く異なる原理で動作する革新的な半導体製造技術です。キヤノンは2004年からこの技術の研究を開始し、約20年の歳月をかけて実用化を達成しました。

従来のフォトリソグラフィは、回路パターンを描いたフォトマスクに光を透過させ、レンズを通して縮小投影することでウェーハ上のレジスト(感光剤)にパターンを焼き付ける「光学的転写」方式を採用しています。一方、ナノインプリントリソグラフィは、回路パターンが刻まれた型(モールド)をウェーハ上のレジストに物理的に押し当てて形状を転写する、いわば「ハンコ」のような方式を採用しています。

この物理的転写方式の最大の技術的優位性は、光の回折現象に依存しないことにあります。光学露光では、光の波長よりも微細なパターンを形成しようとすると、光の回折による像のぼけが生じ、物理的な解像限界(レイリーの式における解像限界)に達します。この限界を克服するために、半導体業界は波長13.5nmという極端紫外線(EUV)の実用化に巨額の投資を行ってきました。しかし、ナノインプリントリソグラフィは型をそのまま押し付ける方式であるため、モールド上の微細なパターンを極めて高い忠実度でウェーハ上に再現することが可能です。

キヤノンのナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」の技術仕様

キヤノンが2023年10月に市場投入した「FPA-1200NZ2C」は、ナノインプリントリソグラフィ技術を世界で初めて半導体の量産に適用可能なレベルにまで高めた装置です。

解像度(最小線幅)については、14nmという驚異的な微細加工能力を達成しています。これは従来の技術ノードで言えば5nmプロセスのロジック半導体製造に相当する性能です。さらにキヤノンは、マスク(モールド)製造技術の進化と組み合わせることで、将来的には最小線幅10nm、すなわち2nmノードへの対応も可能であると表明しています。

オーバーレイ精度(重ね合わせ精度)においても、4nm以下という高い数値を実現しています。半導体製造では数十層もの回路パターンを正確に積み重ねる必要があり、下層のパターンに対する上層の位置合わせ精度は歩留まりに直結する極めて重要な指標となります。ナノインプリントリソグラフィは物理的に接触する方式であるため、位置合わせ時にモールドやウェーハの歪みを補正する高度な制御技術が必要となりますが、キヤノンはピエゾアクチュエータを用いた倍率補正や局所的な熱入力による歪み補正技術を駆使して、この課題を克服しています。

「FPA-1200NZ2C」の特筆すべき機能として、3次元(3D)パターニング能力が挙げられます。従来の光学露光では、焦点深度(DOF)の制約から一度に形成できるのは平坦な2次元パターンに限られていました。複雑な3次元構造を作るには、露光とエッチングを何度も繰り返す必要があり、これが工程数の増大とコスト高騰の主因となっていました。しかし、ナノインプリントリソグラフィであれば、モールドに3次元的な凹凸をつけておくことで、一度のインプリントで複雑な3次元構造を一括形成することが可能です。これは製造プロセスの劇的な短縮を意味し、トータルコストの大幅な削減に寄与します。

ナノインプリントリソグラフィのEUV露光に対する優位性

キヤノンのナノインプリントリソグラフィは、現在最先端プロセスを独占しているASML社のEUV露光装置に対して、「コスト」と「環境性能」という二つの側面から強力な代替手段としての地位を確立しつつあります。

消費電力の削減効果は極めて顕著です。EUV露光は、スズの液滴に高出力レーザーを当ててプラズマ化し、そこから発生する微弱なEUV光を集光するという、エネルギー変換効率の低いプロセスを経ます。そのため光源だけで数万キロワット級の電力を消費します。対してナノインプリントリソグラフィは、光源も複雑な光学系も不要であるため、消費電力はEUV装置と比較して約10分の1(90%削減)に抑えられます。AIの普及によりデータセンターの電力消費が社会問題化する中、チップ製造段階でのこの圧倒的な省エネ性能は、環境経営を目指す半導体メーカーにとって大きなインセンティブとなります。キヤノンはこの環境性能が高く評価され、2025年3月に「第33回地球環境大賞」の大賞を受賞しました。

装置コストの低減も重要な優位性です。EUV装置は1台あたり約1億5000万ドル(約200億円以上)とも言われる超高額設備ですが、ナノインプリント装置は光学系を持たないシンプルな構造であるため、価格は桁違いに安価です。試算によれば、EUVと比較して設備投資コストを約40%まで低減できる可能性があります。

ナノインプリントリソグラフィの実用化状況と技術的課題の克服

ナノインプリントリソグラフィの実用化に向けた動きは着実に進展しています。キヤノンは2024年第4四半期に、米国テキサス州にある半導体コンソーシアム「TIE(Texas Institute for Electronics)」へ「FPA-1200NZ2C」を納入しました。TIEでは先端半導体の研究開発やプロトタイプ製作に同装置が活用されており、これはナノインプリントリソグラフィが研究室レベルを超えて、実際のデバイス試作やパイロットラインで稼働を開始したことを示す重要なマイルストーンです。

DRAMやNANDフラッシュメモリなどのメモリデバイスメーカー、具体的にはSK HynixやKioxia(旧東芝メモリ)などが、ナノインプリントリソグラフィの量産適用に向けた評価を進めています。特に3D NANDフラッシュメモリのような微細かつ周期的なパターンが高密度に並ぶデバイスはナノインプリントリソグラフィとの相性が良く、最初の量産適用分野として有力視されています。

一方で、ナノインプリントリソグラフィには「欠陥(ディフェクト)」という長年の課題がありました。モールドがレジストに直接触れる方式であるため、パーティクル(微粒子)を噛み込んで欠陥が発生したり、離型時(モールドを剥がす時)にパターンが壊れたりするリスクが光学露光よりも高いのです。キヤノンはこの課題に対し、インクジェット技術を応用してレジストを必要な場所に微小液滴として配置する「ジェット&フラッシュ(Jet & Flash)」方式を採用し、レジストの充填時間を短縮するとともに気泡の巻き込みを防ぐ技術を確立しています。SPIE(国際光工学会)で発表された最新の研究論文によれば、CO2雰囲気下でのインプリントや溶剤ベースのレジスト活用により、欠陥密度は劇的に改善しており、量産レベルに近づきつつあることが報告されています。

先端パッケージング向け露光装置「FPA-5520iV LF2オプション」の革新性

半導体の進化において、トランジスタを微細化する「前工程」の限界が叫ばれる中、複数のチップをパッケージ上で組み合わせてシステム全体の性能を向上させる「後工程(Advanced Packaging)」、いわゆる「More than Moore」のアプローチが主戦場となっています。特にAI学習用の高性能GPUなどでは、論理演算を行うロジックチップと大容量メモリ(HBM)をシリコンインターポーザ上に高密度に実装する「2.5D実装」が標準となっています。

ここで新たな課題となっているのが「露光フィールドのサイズ制限」です。従来の半導体露光装置は、フォトマスク(レチクル)のサイズ制約から一度に露光できる面積が最大で26mm × 33mm程度に限られていました。ところが近年のAIチップやインターポーザは巨大化の一途をたどっており、このサイズを超えてしまうケースが増えています。従来は複数のショットをつなぎ合わせる「スティッチング」という手法が採られてきましたが、つなぎ目での精度低下やスループットの大幅な低下という問題がありました。

この課題に対するキヤノンの解答が、SEMICON Japan 2025で紹介されるi線ステッパー「FPA-5520iV LF2オプション」です。「FPA-5520iV」はもともとパッケージング工程向けに設計されたベストセラー機ですが、新たに追加された「LF2(Large Field 2)オプション」は露光性能を次元の異なるレベルへと引き上げています。

圧倒的な広画角露光能力が第一の特長です。LF2オプションでは単一の露光フィールドサイズが52mm × 68mmに拡大されています。これは標準的な前工程露光フィールドの4倍以上の面積です。さらに歪みを極限まで抑えた光学系により、4回のショットを高精度につなぎ合わせることで、最大100mm × 100mmという超広範囲を一括露光のように処理することが可能になりました。この数字は次世代の超大型AIチップや多数のチップレットを搭載する大規模パッケージの製造において決定的な意味を持ちます。継ぎ目のない高精度な再配線層(RDL)を形成できることで、電気的な特性のばらつきを抑え、歩留まりを飛躍的に向上させることができます。

パッケージング特有の「反り」への対応力が第二の特長です。パッケージング工程では樹脂封止や熱処理によってウェーハやパネルが激しく反り返ることが一般的であり、通常の露光装置では焦点が合わずにパターンがボケてしまいます。「FPA-5520iV」は吸着力を強化した特殊なウェーハチャックシステムや柔軟な真空パッドを備えた搬送ロボットを採用することで、反った基板を強制的に平坦化して固定し、0.8μmというサブミクロンオーダーの高解像度露光を実現しています。

キヤノンアネルバの次世代スパッタリング装置「Adastra」とMRAM製造技術

キヤノングループの半導体事業の強みは露光装置だけにとどまりません。グループ会社であるキヤノンアネルバとキヤノンマシナリーが持つ真空技術や実装技術は、AIチップの性能向上に不可欠な役割を果たしており、SEMICON Japan 2025でも重要な展示を行います。

キヤノンアネルバは真空薄膜形成技術の世界的リーダーとして、2024年10月に発売された最新鋭のスパッタリング装置「Adastra(アダストラ)」を展示します。半導体デバイスの製造においてナノメートル単位の薄膜を均一に形成するスパッタリング工程は、デバイスの性能を左右する心臓部とも言えます。

「Adastra」の最大の技術的特徴は、その柔軟性と省スペース性にあります。モジュールの小型化により、フットプリント(設置面積)を従来比で42%削減することに成功しました。半導体工場のクリーンルームは建設・維持コストが極めて高額であるため、単位面積当たりの生産性を高めるこの省スペース設計は顧客にとって大きな価値となります。

さらに「Adastra」は次世代不揮発性メモリであるMRAM(磁気抵抗メモリ)の製造において圧倒的な強みを持っています。AIのエッジデバイスへの搭載が進む中、待機電力をゼロにできるMRAMの需要は急増しています。MRAMの製造には数オングストローム(0.1nm)単位の極めて精密な膜厚制御と積層膜界面の平滑性が求められますが、キヤノンアネルバはこの分野で世界トップシェアを誇っており、「Adastra」はその技術的優位性をさらに強化するものです。

HBM4製造を支える原子拡散接合技術と「BC7300」

SEMICON Japan 2025で最も注目すべき技術の一つが、キヤノンアネルバの「原子拡散接合(Atomic Diffusion Bonding: ADB)」技術を搭載した「BC7300」です。

原子拡散接合は従来のウェーハ接合技術の常識を覆す革新的な技術です。従来の接合は接着剤を使用するか、あるいは高温高圧をかけて金属を溶融させる必要がありました。しかし原子拡散接合は超高真空中でウェーハ表面に数ナノメートルの極薄金属膜を成膜し、その金属原子が互いに拡散し合う現象を利用して接合します。これにより「常温」かつ「無加重」での強固な接合が可能になりました。

この技術が現在特に重要視されている理由は、AI用メモリとして必須の「HBM(High Bandwidth Memory)」の進化に深く関わっているからです。次世代の「HBM4」ではメモリチップを16層以上に積層し、かつチップ間の配線密度を極限まで高める必要があります。従来のはんだバンプを用いた接続(マイクロバンプ)ではバンプのピッチを狭くするとショートするリスクがあり、微細化に限界がありました。そこでバンプを使わずに銅(Cu)配線同士を直接接合する「ハイブリッドボンディング」への移行が進んでいます。

キヤノンアネルバの原子拡散接合技術はこのハイブリッドボンディングを実現するための核心的技術の一つです。常温で接合できるため熱によるチップの反りやダメージを防ぎながら、異種材料(シリコンとガラス、化合物半導体など)の接合も可能にします。これはHBMのみならず、CMOSイメージセンサーや3D NANDの積層においても不可欠な技術となっています。

キヤノンマシナリーの高精度ダイボンダー「BESTEM-D610」

キヤノンマシナリーはSEMICON Japan 2025において、12インチウェーハ対応のダイボンダー「BESTEM-D610」の実機デモを行います。ウェーハから切り出されたチップ(ダイ)を基板に実装するダイボンディング工程は、チップが薄型化・微細化するにつれてより高い精度と速度が求められています。

「BESTEM-D610」はピック&プレースの動作制御を高度化し、薄いチップを破損させることなく、かつミクロン単位の精度で高速に配置する能力を有しています。この装置はキヤノングループとして「前工程から後工程まで」を一貫してサポートする体制を象徴するものであり、半導体製造の総合力を示す重要な展示となります。

キヤノンの環境技術戦略と2050年ネットゼロ目標

SEMICON Japan 2025のテーマである「Sustainability」に対し、キヤノンは具体的かつ数値化された環境技術を提示しています。同社は2050年までに製品ライフサイクル全体でのCO2排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)にする目標を掲げており、2030年の中期目標(2022年比でスコープ1・2を42%減、スコープ3を25%減)はSBTi(Science Based Targets initiative)の認定を取得済みです。

キヤノンブースのパネル展示では、3つの具体的な環境技術が紹介されます。

第一に、ナノインプリントリソグラフィによる劇的な消費電力削減です。前述の通りナノインプリントリソグラフィはEUVと比較して消費電力を約90%削減します。半導体工場の消費電力削減はカーボンニュートラルを目指すサプライチェーン全体にとって喫緊の課題であり、ナノインプリントリソグラフィの導入は製造時のCO2排出量を劇的に削減する切り札となります。

第二に、UV-LED光源への転換と脱水銀です。従来のi線ステッパーなどの露光装置では光源として高圧水銀ランプが長年使用されてきましたが、水銀は「水銀に関する水俣条約」により規制対象となっている環境負荷の高い物質です。キヤノンはこの光源を「UV-LED(紫外線発光ダイオード)」に置き換えるオプションを積極的に展開しています。UV-LED化により有害物質である水銀を排除できるだけでなく、消費電力を従来比で約15%削減し、ランプ交換に伴う廃棄物も削減できます。

第三に、装置のリマニュファクチュアリング(再生)です。キヤノンは使い終わった装置を回収し、部品を交換・洗浄して新品同様の性能に再生するリマニュファクチュアリング事業を20年以上前から行っています。また仮想化技術を用いて旧型装置の制御システムを最新のPC上で動作させることで、ハードウェアが古くなっても使い続けられるようにする延命化技術も導入しています。これは資源の有効活用と廃棄物削減に直結するサーキュラーエコノミーの実践例です。

キヤノンの宇都宮新工場と生産能力の拡大

キヤノンの半導体事業に対する本気度は設備投資の規模からも明らかです。同社は栃木県宇都宮市の事業所内に約500億円を投じて新しい半導体製造装置工場を建設しました。この新工場は2025年9月に操業を開始する予定であり、これによりキヤノンの半導体露光装置の生産能力は現在の約3倍(年間300台規模)にまで拡大されます。

この投資は2026年から2027年にかけて予測される半導体市場の再成長期に照準を合わせたものです。世界半導体市場統計(WSTS)などの予測によれば、AIサーバー、電気自動車(EV)、IoTデバイスの普及により半導体市場は2030年に1兆ドル規模に達すると見込まれています。新工場はナノインプリント装置や先端パッケージング向けステッパーの量産拠点として機能し、キヤノンのシェア拡大の原動力となります。

2026年以降のキヤノン半導体事業の展望

2026年以降、キヤノンは「ナノインプリントリソグラフィの本格量産適用」と「パッケージング市場での覇権確立」の2軸で成長を目指します。

2026年にはナノインプリントリソグラフィを用いたDRAMやNANDフラッシュの量産が一部の先行メーカーで開始されると予想されています。また先端パッケージング分野ではチップレット化の進展により、「FPA-5520iV LF2」のような広画角露光装置が標準機としての地位を固めると見られています。

キヤノンは2026年以降に大型M&Aも視野に入れた積極的な投資を行う方針を示しており、半導体事業をプリンティング、メディカル、イメージングに並ぶ、あるいはそれらを凌駕する収益の柱へと育てる計画です。

まとめ

SEMICON Japan 2025におけるキヤノンの展示内容は、同社が半導体製造装置メーカーとして新たなステージに突入したことを明確に示しています。かつて微細化競争でEUVに道を譲ったキヤノンですが、ナノインプリントリソグラフィという全く異なるアプローチで再び最先端微細化のフロントランナーに躍り出ようとしています。

ナノインプリントリソグラフィが提示する「14nm以下の微細化」と「圧倒的な省エネ・低コスト」という価値は、サステナビリティとコスト効率を重視するこれからのAI半導体時代において、EUV一辺倒だった業界構造に変革をもたらす可能性があります。同時に先端パッケージングや3D積層技術への注力は、微細化だけでは解決できない性能向上の課題に対する現実的かつ強力な解を提供しています。

前工程(ナノインプリントリソグラフィ、スパッタリング)から後工程(パッケージング露光、ダイボンディング)まで、そして環境負荷低減までを自社グループ技術で完結できるキヤノンの「Total Lithography Solution」は、分業が進んだ半導体業界において稀有な強みです。2025年12月17日から19日にかけて東京ビッグサイトで披露されるこれらの技術群は、AI時代の半導体産業が直面する課題に対するキヤノンからの回答であり、今後の業界動向を占う上で見逃せない展示となります。

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